消費税増税・再延期の関連法 署名広げ民主的な税制の実現を
秋の臨時国会で、消費税増税・再延期の関連法案が審議されます。安倍首相自ら、参議院選挙での厳しい審判を避けるため、公示直前に2年半の先送りを表明したからです。
8%への増税後、国内総生産は落ち込み、個人消費も2年連続でマイナスです。貧困と格差を拡大し続ける「アベノミクス」によって広範な国民が耐え難い苦難に直面しています。そんな危機的状況の中、安倍政権は消費税に怒りを燃やす運動の高揚を恐れ、「命取り」となる10%への再増税を断念せざるを得なかったということでしょう。
同時に、「複数税率」の導入や「適格請求書」(インボイス)の義務付けも断じて許されません。報道によれば、自民党税制調査会の非公式会合で先送りを確認したとのことですが、新たな不公平を招き、膨大な実務負担を無償で押し付け、免税事業者を商取引から排除する欠陥制度に他なりません。
そもそも消費税は、財政民主主義を根本から破壊する象徴といって過言でないでしょう。消費税収のほぼ全額が大企業を中心とする法人税の減税分に回されています。増税のたび「福祉・社会保障のため」などの口実がまことしやかに持ち出されますが、医療や介護、年金、生活保護のあらゆる分野で庶民の負担は増え、給付は削減され続けています。
加えて安倍政権になって顕著なのが戦争法をてことした大軍拡です。消費税をはじめ、国民の生存権さえ脅かす税収奪の一方で、オスプレイや無人偵察機、強襲揚陸艦などアメリカ海兵隊と連携した侵略のための武器・装備の購入に空前の予算が注ぎ込まれているのです。
いま、「税金の在り方と使い道」を根本から問いただす世論と運動を巻き起こし、消費税増税をきっぱり中止に追い込むことが強く求められています。参議院選挙での野党共闘を通じて、「不公平税制を是正し、大企業・富裕層への適正な課税を求める」という政策的な一致も広がっています。
決意新たに署名への賛同を会内外に広げ、税制・税務行政の民主化を通じて個人の尊厳が守られる政治を実現しましょう。
全国商工新聞(2016年8月22日付) |