参議院選挙の争点 3度目の「改憲隠し」を許さない
参議院選挙が始まりました。
自民党は「この道を。力強く、前へ」と訴える政策パンフレットを発行しました。
中身は「政権奪還から3年半、経済優先で取り組んできました」から始まり、破綻したアベノミクスを都合のいい数字ばかりを並べ立てて礼賛しています。そして、「世界経済がリスクに直面している」として消費税増税を2年半延期し、「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」と、大企業・富裕層を優遇して格差と貧困を広げてきた政策に何の反省も示していません。
重大なことは、「今度の参院選で自民、公明とその補完勢力で改憲の発議に必要な3分の2以上の議席をめざす」と意欲を示してきた憲法問題にほとんど触れていないことです。
26ページの政策パンフレットは主要政策のあとに、5分野268項目の個別政策を列挙していますが、憲法問題はその最後に小さく「国民の合意形成に努め、憲法改正を目指します」と説明も含めわずか10行記述してあるだけです。
本当にやりたいことは隠し、「経済問題」で多数を得た後は、憲法を踏みにじる政策を強行する安倍首相のやり方は、今回が初めてではありません。
2013年の参院選では経済が最大の争点と言い、選挙後は公約集には小さくしか書いていなかった秘密保護法制定や集団的自衛権の行使容認を行い、2014年の総選挙でも「消費税増税延期とアベノミクスが争点」と言った後、数の力で戦争法を押し通しました。
安倍自公政権はすでに衆議院で3分の2の議席を得ています。参院選で改憲勢力が3分の2以上を得れば、憲法「改正」発議が日程に上ってきます。
安倍首相がめざす自民党の「改憲草案」とは、憲法9条を全面否定し、個人の尊厳を認めず、憲法を国家権力を縛るのでなく国民を縛るものに変える、とんでもないものです。
3度目の国民だましは通用しません。私たち民商・全商連は、憲法を力に「中小業者の生きる道をひらく」と奮闘してきました。今こそ、総力をあげて改憲勢力を少数に追い込んでいこうではありませんか。
全国商工新聞(2016年6月27日付) |