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在日米軍「思いやり予算」協定 理不尽な実態告発し是正迫ろう

 安倍政権は3月末、在日米軍への「思いやり予算」支出の根拠となる特別協定を強行しました。「思いやり予算」とは、米軍基地内で働く日本人従業員の給与や施設建設費、水光熱費、訓練移転費などを、日本政府が義務もないのに自らすすんで支払うものです。今回、特別協定の国会承認がゴリ押しされたことから、米軍活動経費の「肩代わり」が5年間にわたって延長されることになりました。
 米軍への「思いやり予算」は、日本政府が1978年度に基地従業員の福利厚生費62億円を支払ったことを皮切りとし、際限もなく拡大されてきました。79年度から住宅や娯楽施設、さらに滑走路の建設着手となりました。また87年度には日米地位協定24条に反する日本側の負担を「解釈」ではごまかし切れなくなり、特別協定の締結という方式が押し付けられました。
 この特別協定が「暫定的な一時的措置」から、事実上の「永久化措置」へと切り替えられたのがイラクにおける90年の「湾岸戦争」に際してです。
 当時、憲法が明記する「交戦権の否認」に基づき、自衛隊の中東派兵を断った日本政府に対し、アメリカは不満をちらつかせて特別協定の継続を迫りました。その後、特別協定の延長が繰り返され、費目も大幅に広げられてきました。
 今国会では、防衛省が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に提出した資料により、米軍「思いやり予算」の一端が明らかになりました。建設された米軍家族住宅は2015年度までの累計で1万1383戸に達し、上級将校用住宅になると地価を除いても1戸あたり9650万円で約250平方bの広さだということです。東日本大震災から5年が経過した今なお、多くの被災者が応急仮設住宅での不自由な暮らしを余儀なくされている一方、米軍には至れり尽くせりが保障されているのです。
 いま、安倍政権による「戦争する国」づくりを断固阻止する世論と運動が広がっています。戦争法廃止の国民共同と結び、税の使い道を根本から正すたたかいとして、米軍「思いやり予算」の理不尽を広く告発していこうではありませんか。

全国商工新聞(2016年4月4日付)
 

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