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  トップページ> 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第3209号3月28日付
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介護サービス削減 保険の根幹壊す制度改悪やめよ

 安倍政権は「介護離職ゼロ」を掲げながら、介護保険サービスを受けにくくする制度改悪を狙っています。「要支援」の介護保険外しに続き、「要介護」1、2に該当する人たちの生活援助サービスを原則自己負担にする改悪法案を参院選後に提出しようとしているのです。
 この改悪が強行されれば、現在250円程度の利用料が2500円へと跳ね上がり、必要な介護をあきらめる人たちが続出しかねません。高い保険料を払い続けたうえ、「介護サービスが必要」と認定されても、それに見合ったサービスが受けられないこと自体、「保険」の根幹に関わる大問題です。
 介護保険認定者の中でも要介護1は120万人を超えて最も多く、部屋の掃除や調理の支援といった生活援助の「保険外し」は、利用者の重症化につながります。老後の安心・安全を願う高齢者と家族の願いに逆らい、制度の根幹を掘り崩す介護保険改悪は絶対に許されません。
 全商連婦人部協議会が昨年実施した全国業者婦人実態調査(7880人回答)では、約2割が介護を必要とする家族を抱えていることが明らかになりました。「心配事」として挙げられているのは、「利用料が高い」「介護にかかる諸経費の増額」「介護者の健康不安・睡眠不足」「仕事・家事への影響」など、多岐にわたっています。同時に、「公的な施設の増設」「利用料の引き下げ・減免」など切実な願いが寄せられました。
 政府の介護保険改悪案は、介護の深刻な実態と改善の要望を無視したものであり、中小業者や地域社会の持続可能性を破壊するものです。
 最高裁は2月2日、認知症の男性の鉄道事故で家族に賠償責任はないとする画期的な判決を下しました。公益社団法人・全国老人福祉施設協議会は、要介護者と配偶者の「双方が十分な介護保険サービスを受けることで、ある程度のリスク軽減は図られたであろう」と指摘しています。
 高齢者と家族に苦難と犠牲を強いる介護保険破壊の加速化を許さず、人の尊厳を守り、安心して老後を過ごせる介護保障の実現をめざしましょう。

全国商工新聞(2016年3月28日付)
 

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