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新たな借り換え保証制度 営業継続めざし積極的な活用を
政府は2015年度補正予算に基づき、信用保証協会による新たな資金繰り支援として「条件変更改善型借換保証制度」(新借換保証)を創設しました。1日から運用が始まっています。
この制度は、複数ある保証付きの既往借入金を一本化するとともに、新たな事業資金の借り入れにも対応するもので、保証限度額は2億8000万円(組合等は4億8000万円)です。
注目したいのは、「条件変更へのきめ細かな対応」や「条件変更中でも追加融資に応じること」など、全国中小業者団体連絡会が1月に行った金融庁交渉への要請内容が具体化されていることです。新借換保証は「既往借入金の全部または一部について返済条件の緩和を行っていること」を申し込みの資格要件としています。保証期間は15年(据え置き期間1年以内を含む)と長く、毎月の返済負担の軽減に役立ちます。
しかし、活用する上で課題もあります。一つは、部分保証であるということです。100%保証の既往債務も借り換えれば、保証協会の保証は8割となり、金融機関が2割の責任を負うことから、「貸し渋り」が懸念されます。二つは、申し込む上で金融機関および認定経営革新等支援機関の支援を受けつつ、事業計画を策定し、計画の実行と進捗状況の報告が要件となっていることです。借り換える際の保証料負担も問題です。
留意すべきは、借り換えが実現すれば、正常債権となることです。貸し渋りをしないよう、金融機関への申し入れを強める必要があります。事業計画の策定には「集まって、話し合う」民商の真骨頂を発揮し、支援機関との連携にも積極的に挑戦することが求められています。新借換保証を活用して低利で貸し出す自治体独自の融資制度を創設し、保証料補助を実現するなら、借り換え時の負担が軽減され、誰でも同じ金利で、安心して活用できます。
厳しい経済状況が続く中、中小業者の資金繰りは切実さを増しています。中小業者の要求と運動で実現した新たな保証制度を大きく知らせ、活用し、営業継続をめざしましょう。
全国商工新聞(2016年3月21日付) |
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