戦争法案の先取り 自衛隊の暴走許さず必ず廃案に
国会を取り囲む12万人の人々、1000カ所を超える行動、学者や学生など各界各層の集会・パレード――戦争法案の強行を許さないたたかいが大きく広がっています。
こうした中、戦争法案を先取りした自衛隊の動きが相次いで明らかになり、驚きと怒りの声が上がっています。
8月12日、海外での秘密作戦を任務とする米陸軍特殊部隊の戦闘ヘリコプター・ブラックホークが沖縄で墜落事故を起こしました。このヘリに乗り込んでいた自衛隊特殊部隊の隊員2人が負傷したことで、米軍との共同訓練が常態化していることが明らかになりました。この訓練には第三国の兵士が乗り込んでいた可能性も指摘され、専門家も「事実上の共同作戦」だと指摘しています。
国会では、戦争法案の8月成立・来年2月施行を前提に自衛隊統合幕僚監部が詳細な運用計画を検討していた内部文書の存在が明らかになりました。さらに自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長が米軍幹部に対し「夏までの法案成立」に言及するなど次々に「軍部」の暴走が明らかになり、国会軽視の姿勢が大問題になっています。この真相究明と責任追及は国民主権を守る上で必要不可欠です。
来年度の予算概算要求では、海外派兵に備える安倍政権の下で、防衛費は4年連続で増額され、初めて5兆円を超えました。武器の購入費を翌年以降に先送りする「後年度負担」も4兆8000億円に膨れ上がっています。社会保障費の自然増分を抑制しながら、オスプレイ12機、無人偵察機グローバルホーク3機、イージス艦、哨戒機など海外で戦争するための装備を増強しようとしています。
戦争法案の危険性が明らかになる中、国民の世論が、安倍政権を追い詰めています。軍事費を削り暮らしや福祉、教育に予算を回せという、まっとうな要求と自衛隊の暴走を許さない運動が重要になっています。
「戦争には協力しない」という中小業者の思いを一人ひとりが広げ、自衛隊を米軍と一体で戦争する軍隊に変える戦争法案を必ず廃案に追い込みましょう。
全国商工新聞(2015年9月14日付) |