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憲法9条壊す戦争 一気に宣伝・対話を強め廃案に

 安保法制=戦争法案の国会論戦が始まり、その危険性が明らかになってきました。それは「米国が起こす戦争に自衛隊を参加させ、殺し殺される危険に巻き込む」ものだということです。
 明らかになった危険性の一つは、集団的自衛権行使の判断が時の政権の裁量に委ねられていることです。安倍首相は、米国の先制攻撃による戦争であっても「総合的、客観的に判断する」と答えました。これまでも日本政府は、米国が行った先制攻撃に「賛成」「支持」「理解」しか示したことがなく、支援要請を断れるとは到底思えません。法案が通れば、無法な戦争にも参加することになります。
 もう一つの危険は従来の「非戦闘地域」「日本の周辺」といった「歯止め」をなくし、「我が国の平和と安全に役立つ」とみなせば、世界中どこへでも自衛隊を派遣できるようにすることです。支援活動では弾薬の提供、発進準備中の航空機への燃料補給も解禁しようとしています。
 しかも、安倍首相は「武力行使を目的に戦闘行為を行うことはない」と言いながら、後方支援中の自衛隊が攻撃されれば撃ち返す可能性を認めています。これまでと「何も変わらない」とごまかす安倍首相ですが、「例外」「一般に」という言葉を繰り返し、自衛隊の戦闘行為を認めようとしていることは明白です。
 戦後の日本は「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きないようにすること」を誓い、70年もの間、平和国家の道を歩んできました。4日の衆院憲法審査会で3人の憲法学者が戦争法案に「違憲宣告」を下したように、憲法9条の下で、日本が攻撃もされていないのに、米国が起こす戦争に自衛隊が参加することなど、とうてい許されません。
 いまこそ、民主的・平和的日本の建設をめざす民商・全商連の「平和でこそ商売繁栄の道」という一貫した信条と行動力を発揮する時です。署名や商工新聞号外を手に、戦争への動きを危惧する保守の人たちや地元議員との対話、商店街宣伝、業界団体訪問などを一気に強め、戦争法案の強行を許さない世論と運動を巻き起こしましょう。

全国商工新聞(2015年6月15日付)
 

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