資金繰り支える信用補完制度=100%保証守れの運動強化を
今国会で、信用保証制度の特別小口保険(保証協会による無担保・無保証人保証)を100%保証から部分保証にするという法律案が衆議院を通過し、現在参議院で審議されています。政府は、特定非営利活動法人(NPO法人)以外の小規模企業者へは引き続き100%保証で運用するとしていますが、大臣答弁でも将来的には部分保証化を狙っていることが明らかになりました。
民間金融機関が中小事業者向け融資を大幅に減らす中、信用保証協会が公的保証人となる信用補完制度の中でも、特別小口保険は地方自治体の制度融資や無担保・無保証人融資を支え、担保力、信用力の弱い小企業・家族経営の資金繰りの命綱としての役割を果たしています。
3月の全商連付属・中小商工業研究所の営業動向調査では、資金繰りが「窮屈・見通し立たず・返済が滞る」と答えたのは53・4%に上り、従業者数が少ない小規模事業者ほど悪化し、中小業者の資金繰りが切迫している現状が明らかになっています。これは、売り上げ減少(53・8%)、利益減少(59・6%)に加え、昨年4月からの消費税8%による納税が迫られ、負担増がのしかかったことが如実に表れています。事実、3月の全商連HPへの問い合わせでも、融資関連が税金相談を上回る状況です。
6月には住民税、国民健康保険料(税)の納付通知が届きますが、夏場に向けてさらに厳しい資金繰りが迫られる事態が容易に予想されます。
春の運動で取り組んだ「経営・暮らし・健康の向上」調査で把握した会員一人一人の実情を検討し、納税緩和措置の活用や資金繰り対策を強めることが求められています。
さらに、中小業者の経営と生活の危機を打開する取り組みとして、地域の全業者対象に相談活動を旺盛に展開し、浮き彫りになる中小業者の実態を示し、信用保証協会や金融機関、地方自治体、業界団体との懇談の場を持ち、「特別小口保険の部分保証化は許さない」「中小業者への100%保証は恒久化せよ」の世論を緊急に起こし、政府のたくらみをストップさせましょう。
全国商工新聞(2015年5月11日付) |