「全国商工新聞」発刊63年 営業と暮らしを守る決意新たに
全国商工新聞は1952年3月10日、中小業者のたたかいを全国に伝え、運動を統一し、組織していく機関紙として発刊されました。全国商工団体連合会(全商連)が結成された翌年のことです。
第2次世界大戦後、中小業者には一方的な更正処分、売上高の1%分を印紙代で徴収する取引高税など重税が押し付けられました。国税当局は「税金を滞納した納税者には、その生業を続けることを許してはならない」と納税者を追い詰め、アメリカ占領軍と一体となった暴力的な徴収を進めました。
荒れ狂う徴税の嵐の中、「大阪財務局に8万人が抗議」「静岡県清水市で2000人が悪税反対の人民大会開催」「長野県諏訪納税是正同盟が2500人分の署名を集めて税務署長の罷免を要求」など、重税反対のたたかいが大きく前進しました。
しかし、1950年の朝鮮戦争勃発と前後して、アメリカ占領軍による言論・報道の自由に対する弾圧が強められ、日本共産党の中央委員の公職追放や「アカハタ」の発刊停止など、民主的な運動が大きく後退させられました。そうした時代に発刊された商工新聞は、中小業者の運動だけではなく、日本の民主運動を守る役割を担いました。
当時、2万部印刷された商工新聞は、全中小業者の営業と生活、権利を守り、民主的で平和な日本の建設をめざす運動と共に歩み続け、今日では25万人超の読者を擁する新聞へと発展しています。
雨の日も、雪の日も、地域で地道に商売を続ける民商会員や事務局員によって配達され、広められてきた商工新聞は、時には大災害に見舞われた被災業者を励まし、あきらめかけていた商売を立て直す力にもなってきました。情け容赦のない徴収や貸しはがし、大企業の下請けいじめの是正など、各地からの通信をもとに中小業者の生きぬく姿を報道し続けています。
大増税と社会保障の改悪、「戦争する国」づくりが同時に進められようとしている時、商工新聞の果たす役割はますます重要です。平和で安心して商売できる社会の実現へ、商工新聞のさらなる発展をめざす決意です。
全国商工新聞(2015年3月9日付) |