通常国会開会 増税はキッパリ中止の大運動を
通常国会が1月26日、始まりました。この1年間の政府の基本方針を示す施政方針演説を行わないという異常な幕開けに、民主主義を破壊し、世論を無視する安倍政権の姿勢が表れています。
その特徴は、2014年度補正予算案や15年度予算案を見ても明らかです。沖縄県民が選挙で「ノー」の審判を下した辺野古への米軍新基地建設費を14年度比で80倍以上に増額しながら、沖縄振興予算を大幅に削減しようとしています。
軍事費は「戦争する」国づくりに向けて、過去最高の4兆9801億円とし、大型開発を重視する公共事業費は3年連続増加の約6兆円を計上。同時に、国と地方の法人税負担を2年間で1・6兆円も軽くするなど、軍備拡大と大企業支援を露骨に進めようとしています。
一方、国民が望む社会保障予算は容赦なく削減する方針です。お年寄りを支えるための介護報酬は、史上最悪の大幅カット。年金支給額を削減する「マクロ経済スライド」の発動や70歳以上の病院窓口負担の倍加、生活保護費330億円削減など、弱い者いじめは目に余ります。
重大な問題は、安倍政権の暴走を支える財源のすべてが税制と社会保障の改悪によってつくり出されていることです。
安倍内閣は、今国会で消費税増税法の附則18条3項、いわゆる「景気条項」を削除し、どんなに不景気になっても17年4月に消費税率を10%に引き上げることを決め、庶民増税への道を突き進もうとしています。
全商連が呼びかけた「経営・暮らし・健康の向上」全会員調査が進むにつれ、増税を受け入れる余地などない中小業者の実態が浮かび上がっています。増税などとんでもありません。現状の8%を引き下げるなど国民負担を軽くすることこそ必要です。
国民いじめの重税の押し付けは、必ず政権の崩壊につながる-これは歴史の必然です。
消費税増税に反対する運動は重税に抵抗するだけでなく、社会的不公正をただすたたかいです。この旗を高く掲げ、「増税中止、5%に戻せ」の署名をさらに広げ、国会に国民の怒りの声を届け、政治の流れを変える運動に力を合わせましょう。
全国商工新聞(2015年2月2日付) |