12月8日開戦の日 「戦争する国」許さぬ決意示そう
12月8日は各地で「子どもや夫を再び戦場に送らない」という願いをこめ、「赤紙(召集令状)配り」宣伝行動が取り組まれます。73年前のこの日、日本は朝鮮半島や中国への侵略に続き、マレー半島とハワイに侵攻しました。満州と呼ばれていた中国東北部への侵略から始まったアジア・太平洋戦争は15年に及びました。当時の天皇制国家は、国民を戦争へと総動員し、310万人を超す日本人と、2000万人超のアジア・太平洋地域の人々が犠牲になりました。
戦後日本は、侵略戦争の反省に立って、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやう」(日本国憲法前文)と決意し、国際社会の一員としての一歩を踏み出しました。以後、戦争によって、一人の日本人も殺し殺されていません。
しかし、安倍政権は海外で自衛隊が米軍とともに戦争する集団的自衛権行使を容認する「閣議決定」を強行しました。戦後の国のあり方を大本から壊す歴史的な暴挙です。
アメリカが起こしたイラク侵略戦争では、小泉政権が自衛隊派兵を強行しました。それでも、「武力行使はしない」「戦闘地域に行ってはならない」という憲法上の制約を乗り越えることはできませんでした。しかし、安倍首相は日米防衛協力のための指針(ガイドライン)改定によってこの歯止めを外し、自衛隊の軍事活動に道を開こうとしていることが、この間の国会論戦で明らかになっています。
自民党は、14日投票で行われる総選挙の重点政策集から「集団的自衛権」の言葉を意図的に隠す一方、「閣議決定」に基づく個別法の制定に突き進む姿勢を変えようとはしていません。それどころか、憲法改正原案を国会に提出し、「国民投票を実施し、憲法改正をめざす」と明記しています。自民党の改憲案には、国防軍創設が盛り込まれており、徴兵制への懸念も広がっています。
安倍政権は消費税を増税し、軍事費を拡大してきました。来る総選挙では、「赤紙」が配られた時代への逆戻りを許さず、「戦争する国」づくりへの暴走に反対する国民の厳しい審判が必要です。
全国商工新聞(2014年12月8日付) |