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2015年度予算概算要求 軍拡・成長戦略優先との決別を

 2015年度予算の概算要求をめぐり、その問題点が浮き彫りになっています。
 安倍政権は「地方創生」を看板政策として打ち出し、4兆円の特別枠(優先課題推進枠)を設けるなど、一般会計総額が初めて100兆円を超えました。
 来年4月に予定している年金の実質削減など社会保障予算を抑制する一方、軍事費の要求額は過去最大の5兆545億円に達しています。
 「まとめて買う方が安い」と計上したP1新型 戒機20機の一括購入経費3781億円は、中小企業対策費2416億円を上回ります。高額な最新兵器導入のために5年を超える長期契約を可能にする新たな立法措置は、長年にわたって財政を圧迫する原因になります。
 安倍晋三首相は9月3日、「まち・ひと・しごと」創生本部を発足させ、「地方創生」をアピールしていますが、そのための概算要求は、疲弊する地方の活性化に役立つものばかりではありません。
 例えば、国土交通省が特別枠として要望した首都圏空港や国際コンテナ物流網の強化など、国際競争力を強めるための予算4136億円は、水害・土砂災害対策1487億円の2・7倍に上ります。公共施設やサービス機能を都市部に集中するコンパクトシティー推進などに47億円が盛り込まれました。「(東京、名古屋、大阪の)三大都市圏が一体化し、世界から人・モノ・情報を引き付けて世界を先導する」として、リニア中央新幹線を整備する計画(「国土のグランドデザイン2050」)が打ち出され、20年の東京オリンピックに向けた大型開発も計画されています。「東京一極集中に歯止めをかける」という安倍首相のかけ声をうのみにするわけにはいきません。「地方創生」の名で、周辺自治体を再編する道州制の導入が一気に進む危険性さえあります。
 あわせて消費税率10%が強行されるなら、景気回復も地方再生も「絵に描いた 」になのは必至です。いま求められているのは、軍拡・成長戦略優先の予算編成と決別し、地域で雇用と仕事をつくる循環型経済に転換することです。

全国商工新聞(2014年10月6日付)
 

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