庶民をいじめて戦争国家めざす=2014年度政府予算案
昨年末、安倍内閣が2014年度政府予算案を閣議決定しましたが、暮らしを根底から破壊し、戦争する国へ暴走する姿勢を裏付ける内容となりました。
予算案が執行される来年度の冒頭で狙われているのが消費税増税ですが、8%へと税率が引き上げられるなら、8兆円もの空前の重税が国民の懐を直撃します。景気を底から冷やし、低所得者をより過酷な状況に追い込み、広範な中小業者には「身銭」を切らせて営業を破壊する最悪の大衆課税を断じて許すことはできません。
社会保障の徹底した切り縮めも鮮明です。70歳から74歳の医療費窓口負担を2割へと倍化し、年金給付は今年、来年と削減です。生活保護さえ扶助費のわずかな上乗せを超え、基準そのものを引き下げる措置が予定されています。このことは「社会保障のため」という消費税増税の口実がまったくの虚偽に他ならないことを示しています。
こうした一方、予算の大盤振る舞いは、大企業支援策と軍事費です。大企業向けに「国土強靭化」として、三大都市圏環状道路や国際コンテナ戦略港湾など、不要不急の浪費型公共事業が拡大されます。また約1兆円の復興特別法人税の廃止をはじめ、研究開発や投資などを名目に大企業減税が拡充されます。原発の再稼働・輸出を推進するための設備強化や人材育成の予算も増額されます。加えて、労働者のリストラ促進へ労働移動支援助成金を大企業が自由に使えるようにし、中小企業に切実な雇用調整助成金の予算規模を半分以下にするとしています。
軍事費には、憲法を改悪し、アメリカに追随して海外で戦争する野望を持つ安倍内閣の本性が現れています。集団的自衛権の行使へ国家安全保障戦略を閣議決定した上で、オスプレイや水陸両用車、ステルス戦闘機F35などの大量購入で、自衛隊の侵略的機能を大幅に増強しようとしているのです。
いよいよ政府予算案を審議する通常国会の開会が迫ってきました。増税中止と真の景気対策、憲法の完全実施を前面に、「税金の在り方と使い道」を根本から転換させる運動を大きく展開しようではありませんか。
全国商工新聞(2014年1月20日付) |