生活破壊へ暴走する安倍内閣 増税中止の署名と対話広げよう
6月の都議選、そして7月の参院選と、日本の前途に深く関わる政治戦が迫ってきました。
この間、安倍政権の経済政策を、多くの商業メディアが「アベノミクス」と持ち上げてきました。しかし、生活必需品が値上がりして暮らし向きは改善せず、またアメリカによる不当な市場開放圧力に、日本が譲歩を重ねるTPP(環太平洋連携協定)の事前協議も明らかになる中、広範な国民には憤りと危機意識が急速に高まっています。
いま、「アベノミクス」の暴走が日本経済に新たな混乱をもたらし始めています。日銀を抱き込み、「資金供給を2年で130兆円増やす」という異常な金融緩和は、内需を振興せず、国内外での「投機とバブル」を招こうとしています。また「国土強靭化」の名での浪費型公共事業がばらまかれ、研究開発名目の大企業減税が強行されたことで、日銀の国債買い入れは膨れ上がることになり、財政規律は失われつつあります。「成長戦略」も、中身は解雇を自由化し、「サービス残業」を合法化する雇用ルールの破壊であることがはっきりしてきました。加えて高齢者の医療費の窓口負担2倍化や生活保護の容赦ない切り捨てが進められているのです。
許しがたいのは、数々の悪政の根本に、無謀な消費税の大増税計画があることです。増税が強行されれば、景気を底割れさせて圧倒的多数の国民を極度の生活不安に陥れ、結果として国家財政も社会保障も破綻させることになるでしょう。
安倍政権は、これら経済政策で暴走する一方、日本を「戦争する国」へと導く策動を強めていますが、暮らしと平和への貢献こそ、中小業者の本来的な役割です。参院選で「増税の中止こそ、最善の景気対策」であることへの国民的理解を広げるとともに、憲法を生かし、あらゆる国家権力の横暴をただす運動の発展が求められています。
安倍政権に国民の希望を託すことはできず、その政治的基盤を世論と運動で突き崩すことは可能です。国政に国民の意思を正しく反映させる重要な権利として、増税中止署名を大きく広げ、政治と切り結ぶ旺盛な対話運動を展開しましょう。
全国商工新聞(2013年5月13日付) |