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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第3066号4月8日付
 
私たちの主張
 

「消費税転嫁」法案 実効なき対策より増税中止こそ

 政府は、中小業者の消費税転嫁対策として特別措置法案を国会に上程しました。大企業による買いたたきなど、消費税の転嫁拒否などを禁止するというものです。しかし、商品や工賃の単価自体が値引きされれば、通常の取引と区別はつかず「違反」にはなりません。大手量販店、スーパーなどによる「消費税還元セール」などを禁止し罰則を設けるとしていますが、単に8%値下げとすれば、なんら問題にはならない抜け穴だらけの「対策」です。
 「消費税が5%値上げされれば、納入先は間違いなく5%の値下げを要求してくる」(自動車部品製造)のが実態であり、値下げ要求を拒否したり、告発すれば、仕事を切られかねません。消費税導入から、24年間解決できなかった根本的欠陥が、特措法によって解決できるとは思えません。
 朝日新聞は「益税対策はどうした」(2月28日)という社説を掲げ、中小業者が消費税をごまかして不当に利益を得ているかのように主張しました。日本経済新聞は「価格転嫁促す環境を整えよ」(3月24日)という社説を掲げました。消費税増税に反対が過半数という世論に反し、増税をしゃにむに後押しするマスコミに対し、全商連は公正な報道を求めて朝日新聞社に抗議しました。
 消費税法は納税義務者である中小業者が価格に消費税額を転嫁することを予定しているにすぎず、転嫁は業者の努力に任され、中小業者は身銭を切って消費税を負担してきたのです。消費税は、所得の低い人ほど負担が重くなる「逆進性」や、景気を底から冷やし、国民・中小業者の働く場を奪う最悪の税制です。
 安倍内閣は消費税増税を、財界・大企業の要求どおりに実施させたいと、消費税の欠陥を小手先の対策でごまかそうとしています。
 日本弁護士連合会前会長の宇都宮健児氏らが呼びかけた4・11消費税増税中止を求める国民集会に、「増税されれば商売を続けられない」という切実な声と署名を持ち寄り、消費税の根本的な問題を明らかにし、増税を中止させようではありませんか。

全国商工新聞(2013年4月8日付)
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