厳しさ増す資金繰り 力を合わせて年末を乗り切ろう
中小業者にとって、例年にも増して厳しい年の瀬を迎えています。
全商連が半年ごとに行っている営業動向調査(12年下期)では、次期の経営見通しDI(「良くなる」から「悪くなる」を引いた割合)は、▲55.5ポイント(前期▲46.2)と前期より大幅に悪化しています。「燃料費が高騰し続けている」など、経営環境の悪化、欧州危機、デフレ継続、消費税の増税など、マイナス要因が影響している状況がうかがえます。
こうした下で、大手電機メーカーが莫大な内部留保を抱えながら、正社員を含め13万人もの大リストラを進めていることは見過ごせません。終業時間直前に「明日から出社するな」と解雇を通告するなど言語道断です。
雇用の削減や単価たたきが横行すれば、景気はさらに冷え込みます。
また、金融円滑化法の3月末打ち切りを先取りした「貸しはがし」が強まれば、中小業者の廃業が広がります。
各地の民商・県連は金融機関への要請を強め、「円滑化法がなくなっても対応は変わりません」などの回答を得てきました。
金融担当大臣は11月1日、貸し付け条件の変更などを行っても、不良債権とならない要件は「恒久措置であり、不良債権の定義は変わらない」との談話を発表しています。こうした運動の成果を資金繰りに生かすことが重要です。
民商・全商連はこの一年間、消費税増税阻止のたたかいを広げ、横暴な税務調査を許さず、原発被害の賠償をかちとり、信用保証協会や金融機関と交渉し融資を実行させてきました。住宅リフォーム助成制度を自治体につくらせ、夜のオリエンテーリングなど仕事おこしと、地域経済の活性化にも貢献してきました。
内需を拡大し、本格的な景気回復を図る政策を実行させるとともに、緊急切実な中小業者の要求解決のためにも、集まって話し合うことが求められています。
「年越せますか」と声をかけ合い、力を合わせて、厳しい年末を乗り切りましょう。
全国商工新聞(2012年12月17日付)
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