生きる道ひらく総選挙 米国・財界支配政治からの転換を
衆議院の解散以降、民主党と自民、公明両党による表向きの「批判合戦」とともに、「日本維新の会」などの「離合集散」が続いています。この権力欲むき出しの争いを、商業メディアが無節操に取り上げていますが、総選挙での真の争点を明らかにしていません。というのも、「増税談合」と「第三極」のいずれの勢力もが消費税や原発、TPP(環太平洋連携協定)、憲法などで、国民多数の願いを無視し、悪政を競い合う姿勢を示しているにすぎないからです。
いま、対決軸を広く明らかにする上で欠かせないのは、財界・大企業の利益やアメリカの横暴との関係で、中小業者・国民の願いを対置することです。
例えば、消費税問題です。その増税は、財界・大企業にとって自らの特権的な減免税を限りなく穴埋めしてくれ、輸出戻し税など莫大な恩恵を保障してくれるでしょう。しかし消費税でなく、応能負担原則を貫く税制が確立されるなら、広範な国民の懐を温め、「身銭」を切る苦悩から中小業者を解放して、その活力を高めます。
また原発の再稼働や増設は、財界・大企業やアメリカがエネルギーでの独占的利益をむさぼり続けることを保障するでしょう。しかし原発でなく再生可能エネルギーを本格的に普及するなら、放射線被ばくへの将来不安は消え、中小業者の技術・技能を生かす道も広がります。
TPPでいえば、参加によって日本の食料や公共事業、金融・保険におけるアメリカの権益を膨らませ、また財界・大企業も国際競争力を高めるかもしれません。しかしTPPを阻止し、日本の経済主権を守るなら、農商工連携や仕事の地元優先発注、地域再投資の金融を促進する展望を開きます。
そして憲法をめぐるせめぎ合いで、財界やアメリカが望む「戦争する国づくり」に突き進むのか、それとも「平和でこそ商売繁盛」と憲法を生かして生存権を守り、平和外交を開くのかも、問われています。
アメリカに付き従い、財界の「政治買収」に身を委ねる政治を転換し、中小業者の生きる道ひらく総選挙勝利に、力を合わせようではありませんか。
全国商工新聞(2012年12月3日付)
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