「第三極」装う右傾化勢力 幻想打ち破り一点共同広げよう
解散総選挙の時期をめぐり、情勢は緊迫しています。
2大政党への不信が広がる中、「日本維新の会」や東京都知事の職責を投げ捨てた石原慎太郎氏などのグループが日本のさらなる右傾化を促す「突撃隊」として、その動きを活発化させています。
しかし、こうした政治勢力は国民にとって百害あって一利もありません。
「維新の会」代表の橋下徹大阪市長は、市独自の中小業者向け制度融資の廃止、学校教育への徹底した競争原理の導入、伝統芸能や文化への補助金削減などを情け容赦なく進めてきました。
石原氏は、東京への一極集中で得る豊富な財源をオリンピック招致や大型開発、中小業者に見向きもしない新銀行に注ぎ込む一方で、福祉予算を削り続けてきました。
被爆地・広島で米軍の核持ち込みを容認する発言を行った橋下氏と、東日本大震災を「天罰」と言い放ち、「徴兵制」まで口にする石原氏に共通しているのは、被害者の痛みさえ平気で無視する冷酷さと憲法を敵視する独裁的な態度です。
「第三極」を装いながら、両氏がめざす政治の中身は、消費税増税や原発容認、TPP(環太平洋連携協定)参加など、財界、アメリカ言いなりの古い政治にほかなりません。弱肉強食の構造改革や規制緩和の徹底だけでなく、日米安保条約を絶対視し、憲法改悪を推し進める政治の拡大を許せば、平和や生きる権利が脅かされ、国民生活はさらなる貧困に追い込まれてしまいます。
いま、財界とアメリカが求めるTPPへの参加表明を強行して国会を解散するというシナリオが急浮上しています。生活保護や年金支給額の削減も狙われています。こうした暴挙を許すわけにはいきません。
自民党政治に回帰した民主党政権の暴走と、政治の右傾化に歯止めをかけることが緊急に求められています。
「第三極」への幻想を打ち破り、税金の取り方・使い道をはじめ国民生活に関わる重要課題での一点共同を一気に広げるときです。
全国商工新聞(2012年11月19日付)
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