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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第3045号10月29日付
 
私たちの主張
 

中小業者の資金繰り 選別・淘汰許さないたたかいを

 来年3月末で金融円滑化法を廃止する政府の方針が中小業者の資金繰りに影響を及ぼし始めています。
 長年取引してきた信用金庫が一方的に「業績の回復は見込めない。条件変更を元に戻せ」と迫り、預金を拘束する。遅れながら返済していた業者の売掛金を突然、差し押さえて倒産に追い込むなどの例も出ています。金融機関が「毎週来ます」と貸し付け先への管理を強め、「金融円滑化法が廃止されれば、円滑化法利用業者の10%が破たんする」と予測する信用保証協会支所もあります。
 さらに、銀行が投資会社と手を組んで「再生ファンド」を立ち上げるなど、円滑化法の期限切れ後をにらみ、ファンドの活用の動きが広がっています。経営改善できない業者の債権をファンドに譲渡し、金融機関から切り離そうという狙いが透けて見えます。初期費用700万円から1200万円で企業再生を請け負うために人材を増やす企業も現れています。
 金融円滑化法廃止が大銀行や投資ファンドのもうけ口拡大を企図しているなら問題です。セーフティーネット保証全業種指定廃止や、中小業者の選別・淘汰につながる「企業再生」の推進を容認するわけにはいきません。
 そもそも、金融円滑化法はリーマンショック後の景気悪化から中小業者の経営を守るために、返済猶予などの努力義務を金融機関に課すものです。同時に金融検査マニュアルの改定など、不良債権扱いを厳しく限定する債務者区分の変更も実施されてきました。日銀も景気悪化を懸念し、被災地の「二重ローン対策」も進まない中、資金繰りに苦しむ中小業者だけでなく、地域密着型をめざす金融機関をも苦しめる円滑化法打ち切りに道理はありません。
 マスコミのアンケート調査でも明らかなように金融機関も円滑化法終了への不安を募らせています。銀行への申し入れを強め、恒久化を求める共同を探求することも大切です。
 新たな経営改善計画づくりをはじめ、創業融資や運転資金の調達、返済凍結や金利引き下げなど、中小業者の資金確保に知恵と力を合わせましょう。

全国商工新聞(2012年10月29日付)
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