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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第3040号 9月24日付
 
私たちの主張
 

TPP参加交渉 自主共済への規制強化許すな

 ロシア・ウラジオストクで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)が、「自国産業優遇政策」を排除する「保護主義の抑止」を盛り込んだ首脳宣言を採択し閉幕しました。
 野田首相は、この会議で予定していたTPP(環太平洋連携協定)への正式参加表明を見送りましたが、引き続きTPP参加と広域FTA(自由貿易協定)についても追求する姿勢を示し、米国やマレーシアに協力を求めています。
 野田首相が参加表明できなかった背景には、国民世論の高まりと農業、医療、中小業者など、幅広い反対運動があったからです。8月30日の超党派国会議員集会には190人余りの民主、自民、共産党などの議員が出席し、参加反対の集会・デモが全国各地で行われています。
 朝日新聞の世論調査(8月28日)は、参加賛成44%、反対37%であり、昨年11月の同社調査の賛成46%、反対28%と比べ反対が増えています。農業、漁業はもとより、医療や保険、公共工事などあらゆる分野に影響することが、私たちの運動で知らされてきた結果です。国会論戦でも、TPPは交渉内容が4年間秘密にされることや、共済が交渉に含まれているかは不明であることが明らかになっています。国民に内容も知らせず参加を強行することは許せません。
 TPPへの参加は米国と財界の強い要求です。米国の関心事は「自動車・牛肉・保険」といわれていますが、在日米国商工会議所(ACCJ)の意見書は、制度共済に対して「保険に対して優位な立場にある」「制度共済の優遇はGATS(サービス貿易に関する一般協定)違反」と、日本政府に対して要求し、全商連共済会など自主共済へも規制を強めようとしています。すでに政府は、BSE対策の米国産牛の輸入制限を緩和する方向を打ち出しています。
 例外なき関税撤廃と自由化を押し付けるTPPは、農林漁業とその関連事業はもちろん、工業製品の安売り競争、雇用の削減や賃下げ、請負単価の切り下げなど、地域経済を破壊します。TPPの危険な内容を知らせ、地域から声を大きく広げ、参加を阻止しましょう。

全国商工新聞(2012年9月24日付)
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