橋下・大阪維新の会 正体見極め民主主義の擁護を
政権交代から3年。民主党・野田内閣は消費税の増税や社会保障の切り捨て、原発再稼働、オスプレイ配備など、財界、アメリカ言いなりの自民党政治へと回帰しました。
公約を踏みにじり、自民、公明と組んで暴走する野田首相への問責決議が参議院で下されたことは当然です。
国民の間では政治への失望や怒りが広がり、「支持政党なし」が過半数を超えています。見逃せないのは、二大政党が行き詰まる中、国政進出を狙う「大阪維新の会」(維新の会)の支持が広がっていることです。
その背景には、維新の会を率いる橋下徹大阪市長を「決められる政治家」と持ち上げて、その一挙手一投足を無批判に報道してきたマスコミの影響があります。
総選挙をにらみ、新党結成を急ぐ橋下氏は、改憲や構造改革路線推進の立場を明確にしており、民主、自民、みんななどの保守政治家といつでも合流できる素地を持っています。日本軍による従軍慰安婦の強制連行を否定し、教育に対する首長の介入強化に乗り出す姿は、「戦後レジームからの脱却」をめざして頓挫した安倍晋三元首相とまったく同じです。
「日米同盟」を基軸とする維新の会は、「自立する個人」を理念に掲げるなど自己責任論の立場を鮮明にし、社会保障費削減、生活保護の有期化、解雇規制の緩和など新自由主義路線を加速させようとしています。
衆院選マニフェストのベースとなる「維新八策」最終版には、消費税増税を招く「消費税の地方税化と地方交付税廃止」、環太平洋連携協定(TPP)参加、衆院定数半減、参院廃止、道州制導入、憲法9条「改正」、教育委員会制度の廃止などが盛り込まれました。
人権や民主主義を否定する独断専行によって財界とアメリカ中心の古くて危険な政治を推し進めようとする橋下・維新の会の正体をしっかり見極めることが重要です。全商連第50回総会方針や私たちの要求にも学び、自由と民主主義の発展と中小業者の経営を守る政治の在り方を語り合い、その実現をめざそうではありませんか。
全国商工新聞(2012年9月10日付)
|