オスプレイ沖縄配備ゆるせない 対米従属抜け出す世論と運動を
米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備計画をめぐり、新たなたたかいの火の手が上がっています。
森本敏防衛相が1日、沖縄と山口の両県を訪れ、岩国基地経由で普天間基地に配備するとの米政府の意向を伝えたのに対し、仲井真弘多・沖縄県知事は「配備を強行した場合、全基地即時閉鎖という動きに行かざるを得ない」と警告し、二井関成・山口県知事も「なし崩し的で姑息だ」と反対を表明しました。
オスプレイは「海兵隊の最新鋭の航空機」と喧伝されながら、今年4月にモロッコで、6月には米国・フロリダで墜落事故を起こしています。にもかかわらず、事故調査報告書さえ提出されず、しかもエンジンが故障すると、とたんに制御を失って墜落すると指摘されています。こんな構造的欠陥が濃厚な代物を住宅や公共施設、保育所などが隣接する普天間基地に配備するなど許されません。
今回、見逃せないのはオスプレイの配備計画を契機とし、基地周辺の安全確保に対する日米両政府の「二重基準」に国民の怒りが高まっていることです。
例えば、米軍機による低空飛行訓練は、米国内では、公表されるルートでしか訓練できず、しかも住民生活などへの厳格な審査や連邦航空局による許可が義務付けられています。一方、日本では米軍機に対する飛行安全高度への制限はすべて適用除外とされ、墜落事故をはじめとした悲劇が繰り返されてきました。
こうした積み重ねがあるからこそ、森本防衛相が沖縄を訪問した際、仲井真知事らが県民の総意を踏まえ、安全に誰が責任を持つのかを厳しく問い詰め、米・ニューメキシコ州ではオスプレイの低空飛行訓練が住民の反対で中断されたことを指摘し、配備中止を重ねて要求しました。
オスプレイ配備が強行されれば、沖縄とともに東北地方や北信越、近畿、四国、九州などでも、夜間飛行訓練が予定され、米軍の横暴は日本の全土を覆うことになります。オスプレイの配備を断固阻止し、日本の対米従属の根拠である日米地位協定の見直しを求める世論と運動を広げようではありませんか。
全国商工新聞(2012年7月16日付)
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