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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第3020号 4月23日付
 
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憲法と民意を踏みにじる暴挙―民主党の比例定数削減案

 消費税増税法案が国会に提出されました。その審議の見通しが立たない中で、民主党は現在180の衆議院比例定数を100議席に削減することを優先させ急ぐ構えです。定数削減問題は、野田内閣が増税と引き換えに「身を切る改革」と称して主導してきており、増税強行の口実づくりでもあります。
 しかし、定数削減を増税の前提条件にすること自体が陳腐なこじつけであることはすでに明らかになっています。その真の狙いが、国会への民意の反映をゆがめ、小選挙区で選ばれる第1党、第2党の談合で政治を牛耳ろうという議会制民主主義破壊の暴挙であることを見抜かねばなりません。
 1994年に小選挙区比例代表並立制が衆議院の選挙制度として導入されて以来、5回の総選挙が行われましたが、現在300議席の小選挙区では1票が議席に結びつかない「死票」が半数を超え、第1党が4割の得票で7割台の議席を占めるという民意のゆがみがまん延しています。1997年の消費税率5%への引き上げ、国民に痛みを押し付けた小泉構造改革など悪法強行が続いてきました。国会は「政争」に明け暮れ、政治の劣化と暴走政治が、国民の政治不信を広げています。その中でも民意反映の制度である比例代表による議席が、かろうじて国政の権威を維持してきましたが、その議席を半分近く削減することは、許せないものです。
 日本国憲法は、国会を「国権の最高機関」とし、その国会に国民意思の縮図をつくりだす直接選挙による議会制民主主義の確立を要請しています。
 重要なのは民意の反映です。内閣府の「社会意識に関する世論調査」(今年1月)では、「国の政策へ民意が反映されている」は15・5%に過ぎず、「反映されていない」が81・9%にも達しています。
 今必要なのは、定数削減や部分的な選挙区割りの変更ではなく、比例代表制を重視した抜本的な改革です。民主党を除くすべての政党が「現行制度は問題あり」と主張しています。
 民主党による拙速な改悪を許さず、国民が主人公の選挙制度を求めて運動を広げましょう。

全国商工新聞(2012年4月23日付)
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