営業破壊許すなの声を大きく
消費税増税のせめぎ合いが激しさを増す中、「身銭」を切らされてきた中小業者の実態が国会で取り上げられました。10日の衆院・予算委員会での日本共産党の志位和夫委員長の質問です。テレビでも中継し、消費税が中小業者をどれほど苦しめてきたかが浮き彫りになり、大きな反響が広がっています。
志位委員長は、全国中小企業団体中央会などが昨年に実施した「消費税・転嫁調査」の結果に触れ、小企業の「71%が転嫁できない」と答えているのに「どこから出すのか」と野田首相に質問しました。さらに志位委員長自らが行った部品加工や豆腐製造、レストラン営業などのヒヤリングも紹介し、消費税増税に「中小企業が持ちこたえられると思うか」と問いただしました。
この追及に、野田首相はまともに答弁できず、消費税は、取り引きの力関係から中小業者の営業を破壊することが、あらためて暴露されました。
この間、野田政権が大手商業マスコミも総動員して広げてきた消費税増税の口実は、次々と崩れ去っています。例えば、「社会保障と税の一体改革」は、年金の支給開始の先延ばしや医療費の窓口負担増など社会保障をあらゆる分野で連続改悪をしておいて、消費税を財源にすると主張しても説得力を持つはずもありません。また「財政危機」論も、増税をすれば景気悪化で税収が落ち込み、結局は財政も破たんする関係が明確になっています。実際、97年に税率を5%に引き上げた結果、景気は底割れし、わずか4年間で200兆円も国債が増えたのです。
いま、広範な国民の中には「財政も大変」と善意で「増税やむなし」と考える人たちもいます。しかし日本は世界最大の債権国です。国債も国内銀行などが圧倒的に保有しているので実際の信用力は高く、内需振興と計画的な財政再建こそ必要なことです。消費税の実態とともにそれらが理解されれば、「増税反対」の世論はさらに圧倒的なものになるでしょう。
景気悪化や営業破壊を許さないため、消費税増税を断固阻止し、軍事費などの無駄を省き、「応能負担」の税制実現を迫っていこうではありませんか。
全国商工新聞(2012年2月20日付)
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