研究の成果を地域で生かそう
第17回中小商工業全国交流・研究集会(「商工交流会」)が9月17日〜18日、さいたま市で開かれ、全国から中小業者、研究者、労働者、地方議員など1300人が参加し成功しました。
歴史を振り返れば、1981年に民商・全商連をはじめとする中小業者団体と研究者などによる実行委員会主催で始まったもので30周年を迎えました。中小商工業の多様な発展方向を探求し、その時々の課題を交流・研究し、業者運動と研究活動の統一的発展をめざしてきたものです。
今回は、3・11東日本大震災と福島第1原発事故、さらには異常円高といった、厳しい情勢の中での開催でしたが、被災地域からの多数の参加も得て、持続可能な地域社会づくりに向け、中小商工業者の力を発揮していく方向を指し示す多くの成果が築かれました。住宅リフォーム助成や金融円滑化法など、この間運動でかちとった成果を全国に広げる場にもなりました。また、異業種との交流で新たな事業展開に挑戦したり、自営業者としての存在価値を経営交流を通じて見出す若手経営者などの参加も特徴的でした。
原発依存から脱却するために、再生可能エネルギーの開発・普及を進める上で、地域の中小業者こそその担い手であることも解明されました。また、大企業優先の震災復興が進められようとする下で、真に住民と中小業者が主体となる持続可能な地域づくりへの道が探求されました。地域資源を生かした地域内経済循環の実現こそ、国民生活の安定を保障する新しい日本への変革を切り開く、全国的課題であることも明らかにされました。
全商連が発表した「日本版・小企業憲章(案)」への共感も広がりました。「小企業・家族経営こそ、健全で人間性豊かな経済社会を発展させる力」という主張は、国民的合意へと発展していくものです。
各地で、報告会や地域の交流会などを大いに開催し、小企業・家族経営の経営対策、運動と研究の成果を学び合いましょう。そして、財界いいなりの野田内閣の増税、新成長戦略の加速という政治状況に対して、中小商工業の底力と切実な要求を結集し、未来を切り開いていきましょう。
全国商工新聞(2011年10月3日付)
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