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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2992号 9月26日付
 
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民主・自民で悪政推進競い合う

 臨時国会で、野田新首相の所信表明と各党代表質問が行われました。東日本大震災からの生活と生業の再建へ一刻も早い支援拡充が求められているにもかかわらず、当初はわずか4日間の会期で打ち切ろうとするなど異常な運営でした。
 しかも討論で目立ったのは、広範な国民に新たな苦難を強いる悪政の数々であり、民主党と自民党が競い合う姿が鮮明になっています。
 例えば、復興増税と消費税増税です。野田首相は復旧・復興の財源について、何ら租税の負担能力に触れず、「今を生きる世代で負担する」と強調しました。
 そして自民党の谷垣総裁が、消費税率の10%化にむけ「時期が先送りにつながらないよう施行を前倒しに」と求めると、野田首相は「本年度中に法案提出の準備を進める」と応じました。
 普天間基地の「移設」でも、アメリカ追随で歩調がピタリと合っています。谷垣総裁が鳩山政権時の迷走で「日米同盟に大きな傷痕を残した」と指摘すると、野田首相は、基地撤去を求める沖縄県民の願いを完全に無視し、「日米同盟を深化・発展させる」と自民党と同じ立場に立つ姿勢を強調しました。
 原発問題も福島原発の放射能事故が未曾有の被害をもたらし、収束の目途も立たない事態にある中で、谷垣総裁から「脱原発の路線を引き継ぐのか」と問われると、野田首相は「脱原発と推進という二項対立ではない」と言逃れつつ、原発の再稼動を進めると表明しました。
 さらに農業や漁業、地域経済を破壊する環太平洋連携協定(TPP)に関しては、野田政権の方が自民党以上に前のめりです。自民党議員が「拙速な判断とならぬよう」とあいまいなのに、野田首相は「できるだけ早い時期に結論を出したい」と改めて意欲を示したのでした。
 延長されたものの臨時国会はいったん閉会となります。そこで、財界本位・アメリカ追随の悪政推進へ、民主党と自民党に公明党を加えた密室協議が始まろうとしていることは重大です。
 世論と運動こそ政治を動かす力であることに確信を持って、消費税増税阻止や原発ゼロをはじめとした切実な要求の実現へ、国民運動を大きく展開しようではありませんか。

全国商工新聞(2011年9月26日付)
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