署名広げ消費税増税の断固阻止を
衆参両院本会議で、民主党代表の野田佳彦氏が新首相に選出されました。野田氏は記者会見で、税と社会保障の「一体改革」に触れ、増税法案を2012年の通常国会に提出することをあらためて表明するなど、消費税増税に執念を燃やしています。
医療費のさらなる負担増、年金の支給開始年齢の引き上げ、生活保護制度の見直しなど、社会保障改悪と一体の消費税増税は、多くの国民・中小業者の願いに逆行するもので、断じて許すわけにはいきません。
民主党は09年の総選挙で「4年間は消費税を増税しない」という公約を掲げて躍進し、政権を獲得しました。選挙直後のアンケートでも当選した民主党新議員の94%が4年間の任期中に消費税を引き上げることについては反対と回答していました。
野田氏に至っては、07年と08年の2回にわたって消費税引き上げに反対する請願の紹介議員にもなっていました。国民との約束を平然と投げ捨て、過去の政治姿勢をすべてご破算にして、消費税増税の着実な実施をめざしているのが野田氏です。
先の参議院選挙で菅内閣が国民への公約を踏みにじり、消費税の10%への増税を強行しようとしましたが、国民・中小業者の厳しい批判を浴びました。野田氏にはそうした国民の批判に応える姿勢は全くありません。
見過ごせないのは、震災復興の財源でも被災者にも負担を押し付ける復興増税を唱えていることです。財界はこうした野田氏を大絶賛しています。
民主党代表選挙でいち早く大連立構想を示した野田氏は、首相に就任するやいなや、自民党や公明党の党首と会談し、復興財源をはじめとした3党合意の忠実な実行を約束しました。
前内閣の財務相として「一体改革」の名で推進してきた消費税増税路線は、民主・自民・公明各党間では一致しており、まさに大連立によって消費税増税が強行される危険性は大きくなっています。
民商・全商連は、創立以来一貫して大型間接税に反対してきました。野田新民主党政権が進める増税路線を転換させるため、いま署名運動をはじめ、消費税増税を阻止する取り組みを全国津々浦々から強めることが求められています。
全国商工新聞(2011年9月12日付)
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