国民裏切る政治は転換しかない
菅直人首相が退陣し、野田佳彦財務相を首班とする新政権が発足しました。しかし、この政権が国民・中小業者にとっていかに危険か、その特徴は、民主党の代表選挙の経過を見ても明らかです。
「政治とカネ」の問題で党員資格が停止されている小沢一郎氏を軸に、政策抜きで多数派工作に明け暮れる様は、政党の劣化を際立たせました。「大連立」が叫ばれ、消費税増税でも原発推進でも基地問題でも、民主党が自公政権の敷いたレールの上を走ることを明確に選択した選挙結果でした。
国民にとってその害悪は鮮明です。民主党は、政権公約の撤回を迫る自民、公明と合意し、「子ども手当」を元の児童手当へと後退させました。高校授業料無償化や農家個別補償も風前の灯です。
東日本大震災で被災した住民・中小業者の生活と営業再建への支援も大きく遅れています。
「2010年代の半ばまでに消費税を10%に引き上げる」とし、震災復興や社会保障を口実に世論誘導を強めています。
また、「課税と徴収の強化」にとどまらず、「国民監視社会」づくりを加速させ、「社会保障・税共通番号」を消費税増税時期と合わせて、2015年の利用開始をめざし、今秋にも法案を提出する構えです。
急激な円高で中小業者が苦しむなか、その対策として打ち出されたのは、7・7兆円もの融資枠をつくり、海外企業を合併・買収する大企業支援策です。
国民の期待を裏切り、構造改革を推進する民主党への失望と怒りは、政治への批判と、その転換を求める国民的共同の発展へと転化しつつあります。
原発事故を契機に、原発からの脱却を求める世論が急速に高まり、「今すぐ廃止」が11%、「時間をかけて減らす」が74%に達しています(「毎日」)。
「TPP(環太平洋連携協定)はいらない!8・27緊急集会」にはJA全中の幹部をはじめ、国民各層を代表する団体が参加しました。
この秋、消費税増税阻止、原発ゼロ、TPP参加反対を掲げ、政治の転換と住民・中小業者が主体の持続可能な地域社会の構築をめざし、各地で幅広い共同を発展させようではありませんか。
全国商工新聞(2011年9月5日付)
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