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子どもたちを放射線から守ろう
広島・長崎に原爆が投下されて66回目の夏を迎えました。「核兵器のない世界」の実現を誓い合う原水爆禁止世界大会が長崎で開かれ、核兵器廃絶とともに「原発からの撤退」を求める運動への連帯を呼びかける「長崎からのよびかけ」を採択しました。
「ノーモア・ヒバクシャ」を世界に訴え続けてきた被爆国の私たちは、東京電力福島第1原発の事故で、いま再び放射線の恐怖に脅かされています。大会では、私たちはこれからどのような社会をめざし、子どもたちに平和に生活できる日本を手渡していくかが語られました。
いま福島では、子どもたちから「日常」が奪われています。校庭で遊べず運動会もない、夏の楽しみのプールも中止など、外で思いきり身体を動かせないストレスが高まっています。
修学旅行も日帰りとなり、部活で頑張る生徒の保護者には「外で練習するにあたっての承諾書」が求められ、何があっても自己責任が突きつけられています。
世界で唯一の被爆国である日本で、国の政策により子どもたちの未来が脅かされているのです。政府と東京電力は責任の大きさを認識し、早急に放射能汚染の実態を正確に把握し、その規模にふさわしい除染を進めるべきです。また内部被ばくを含めた線量調査や健康管理が求められます。
放射性物質から子どもを守る運動を決意した若い母親は「女性は命を守ることに敏感です。お母さんたちが広くつながれば何かができるはず。1954年に第五福竜丸が被ばくしたとき、主婦たちが起こした運動が広がったと聞きました。行動を起こして、国内に54基ある原発を1基ずつ止めていきたい」と語っています。
関係自治体は域内の除染を実施し、市民の健康と安全を守る費用を政府と東電に求めることが必要です。
私たち中小業者は、大災害から地域を再生させる経験を積み重ねてきました。また、地域の風土と特徴を守り、住民と密接に関わり、快適な生活環境づくりに貢献してきました。不安を乗り越え、命を生み育む母親たちの決意に寄り添い、核も原子力もない社会を実現するために奮闘しましょう。
全国商工新聞(2011年8月22日付)
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