平和と民主主義守り抜く決意を
ことしも8月15日の「終戦記念日」を迎えようとしています。
日本の敗戦、そして広島、長崎の被爆から66年がたちます。第2次世界大戦終結までの日本は、絶対主義的天皇制による軍国主義国家でした。明治以降、日清戦争、日露戦争、韓国併合、第一次大戦、1931年の満州事変、日中戦争、太平洋戦争と、わが国は朝鮮半島や中国、東南アジアへの侵略と米英など大国との覇権争いに武力を使い、国民を戦争に駆り立てていきました。第2次世界大戦だけでも2000万人ものアジア諸国民、310万人の日本国民の人命が奪われ、原爆や空襲によって日本も焦土と化しました。また、地上戦が行われた沖縄は、長く米軍の施政権下に置かれ、返還後も現在に至るまで米軍基地の存在に苦悩しています。
こうした犠牲の上に立って、私たちは「国民主権」「平和的生存権」「基本的人権」など自由と民主主義の原則を柱とする日本国憲法を手にしたのです。
しかし、1951年に結ばれた日米安全保障条約によって日本は占領体制に引き続き、実質的な米国の従属国となり、経済的にもその支配下に置かれる形で復興の道を歩みました。
また、敗戦を契機に軍隊や特高警察は解体されましたが、徴税機構は皇国史観を受け継いで温存され、占領軍に便宜を図る終戦処理費や銀行を救済する金融機関補償費、大資本に支払う価格調整費などが、すべて国民に重税を強いることでまかなわれ、アメリカ占領軍と一緒になった苛斂誅求の収奪が行われました。
そして、この徴税攻勢に対するたたかいが戦後の民主化闘争の大きな柱となるなか、民商・全商連運動は生まれ、今日までその歴史と伝統が引き継がれてきているのです。
今年は、東日本大震災・原発事故などをきっかけに、日本経済と政治、国民の安全をめぐる危機が顕在化しました。今こそ、日本国憲法の優れた平和と民主主義の諸規定を生かし、国民が主人公の政策を推進することが求められています。全商連が提起した「日本版・小企業憲章(案)」も、健全で人間性豊かな経済社会をめざすものです。
「終戦記念日」を機に、新しい国のあり方を問いかけていきましょう。
全国商工新聞(2011年8月8日付)
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