56条廃止と通則法改悪阻止必ず
日本の所得税法は、業者婦人など家族従業者の「働き分」を必要経費と認めず、申告の仕方で不当に差別するものになっています。これが、単価たたきや生活費への重税、劣悪な社会保障の根拠となり、家族労働中心の自営商工業を苦しめてきました。
本来なら、家族労働の対価や自家労賃は認められて当然です。ところが民主党・菅政権は、この税制の不合理を見直さないばかりか、問答無用の徴税強化に向け、国税通則法の改悪をたくらんでいます。
自営商工業において、業者婦人は暮らしと営業のやりくりとともに、子育て、介護などを懸命に支えています。さらに本業だけで生活できない場合、パートを掛け持つ人も少なくありません。商売だけで家族が食べていけることを願いつつ、業者婦人の多くが睡眠時間さえ削って帳簿書類をつけています。
国税通則法の改悪とは、こうした業者婦人の苦難に「追い打ち」をかけることになります。
「記帳の義務化」が法制化されれば、税務当局はより厳しい記帳水準を一律に求め、そこに達しないものを認めません。帳簿等の「提示・提出が義務化」されれば、「犯罪捜査まがい」の勝手な資料押収が今以上に頻発するでしょう。そして修正申告の「勧奨」が法定化されれば、暮らしの実態を無視した税金のつり上げが、帳簿を預かる業者婦人への人格攻撃とともに、広がるでしょう。実際、相手が女性でほかに誰もいないと見れば「税金も払えない商売などやめてしまえ」と税務署員が暴言を吐く事態が各地で繰り返されてきたのです。
この間、業者婦人の地位向上のたたかいは大きく発展してきました。民商婦人部が「働き分を経費に」と取り組んできた所得税法第56条廃止をめざす運動は、300を超える自治体で意見書を採択させてきました。この中で国会・地方の諸会派議員を道理に基づき、説得する力も高めてきました。
この団結の力は、民商・全商連全体にとっても、かけがえのないものです。
所得税法56条の廃止をめざすとともに、消費税増税と国税通則法改悪を断固阻止する運動の発展に、民商運動の総合力を発揮しようではありませんか。
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