消費税増税など悪政推進やめよ
国民との乖離が進み、行き詰まりを深める菅政権は1月14日、財界やメディアの強い支援を背景に、消費税増税、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加を最大の目的に第2次改造内閣を発足させました。
今回の改造で、菅首相は「改革に向けて最強の体制をつくる」と表明しましたが、その顔ぶれは、財界・アメリカの利益実現にとって、「最強」であることが明らかになっています。
消費税増税論者で、民主党の経済政策を批判し、「たちあがれ日本」を離党したばかりの与謝野馨氏を経済財政担当相に起用したのは消費税増税の実現のためです。法人税減税を強行した野田佳彦財務相は留任させ、先の参議院選挙で菅氏とともに消費税増税の旗を振った枝野氏を官房長官に任命しました。そしてその下に、民主党の「税と社会保障の抜本改革調査会」の会長で、社会保障財源として消費税は重要だと結論づけた藤井裕久氏を官房副長官として登用したのも、消費税増税に向けた人事です。
また、TPP参加を「日米同盟のため」と言い切る前原誠司外相を留任させ、経済産業相には、TPP参加に消極的といわれる大畠章宏氏から、参加に積極的な海江田万里氏に交代しました。そして、米軍普天間基地の「県内移設」を進める北澤俊美防衛相らを留任させるなど、財界や米国の要求にいっそう露骨に応えるための布陣となっています。
しかし、菅第2次改造内閣がめざす方向は、国民要求とは相容れません。
国民・中小業者の切実な要求は、消費税増税をやめ、大企業・富裕層に適正に課税をすることであり、医療・介護・年金などの社会保障の充実、そして、中小企業・地域経済を振興し、雇用の促進を図ることです。
税務行政の分野でいえば、税務署の調査権を強化する国税通則法の改悪は中止し、憲法理念に基づき、税務行政の適正手続きを貫く「納税者の権利憲章」を国民合意で制定することです。
民商・全商連はこの春、これらの要求実現めざし、署名運動に取り組んでいます。各界・各層で、こうした運動を飛躍的に強め、改造内閣に挑むことが重要になっています。
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