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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2951号 11月15日付
 
私たちの主張
 

道理ない負担はきっぱり廃止に

在日米軍への「思いやり予算」
 菅政権は公約を投げ捨て、在日米軍の「思いやり予算」の日米交渉で、「総額を極端には減らさない」と、米側への減額要求を撤回する旨を明らかにしました。
 米側は「思いやり予算」を、「日米同盟の戦力的柱」だと強弁。在日米軍が提供する抑止力により、日本防衛費はGDP比1%未満で済んでいることなどを理由に、増額を要求しました。
 米政府がこうした対日圧力を強めたのは、高圧的な態度で臨むことで、日本政府が来年度予算で「思いやり予算」を減らさないようにけん制する狙いがあってのことです。そのために、米政府は「思いやり予算」という呼び方を「防衛分担経費」へ変えるように求め、増額の口実に「太陽光発電」などの環境対策を上げるなど、全く道理がないなりふり構わぬ攻勢を強めました。
 そもそも「思いやり予算」は、日米地位協定上も負担義務がないもので、本来全廃することこそ求められます。米国の財政悪化を口実に始まった「思いやり予算」は、当初62億円だったものが、09年までに5兆6000億円にも上り、2010年度は、3369億円と過去最高になりました。その使い道も、一戸あたり平均4800万円にもなる家族住宅のほか、戦闘機の対爆シェルターや滑走路、格納庫などの作戦施設をはじめ、学校、病院、郵便局、映画館からプール、ゴルフ場などの生活・娯楽関連施設の建設まで至れり尽くせりです。このほか、日本人基地従業員の給与や水道光熱費などを含めて、本来米軍が負担すべきものを日本が負担し続けることなど許されません。
 全商連は第49回総会方針で「在日米軍基地の再編強化」を許さない運動の推進を提起し、「思いやり予算」の廃止を掲げています。また、現在たたかわれている沖縄県知事選では、基地撤去を公約しているイハ洋一候補の勝利めざして、全国の民商の力を結集し奮闘しています。
 在日米軍基地をなくすためにも、「思いやり予算」にメスを入れることができるかどうかが問われています。
 日本の暮らしや財政状況の深刻化が進むなか、政府には中小企業の振興をはじめ、国民生活関連向け予算の抜本的な拡充こそが求められています。

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