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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2946号 10月11日付
 
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都道府県単位の国保「広域化」

国庫補助の拡大で制度充実図れ
 厚生労働省は9月27日、市町村が運営する国民健康保険(以下、国保)について、全年齢を対象に都道府県単位の運営に移行する「広域化」を全国一律で期限を定めて実施する方針を示しました。
 また、2013年度に導入を狙う、後期高齢者医療制度に代わる「新制度」については、対象年齢を75歳以上とする方向を提示しました。「新制度」では、75歳以上の高齢者の8割、約1200万人が都道府県単位で財政運営する国保に加入することになり、市町村単位で運営する現役世代とは別勘定になります。その次の段階で、国保の「広域化」を行うとしています。
 この民主党政権が進める国保の「広域化」方針は、それを契機に、自治体の一般財源からの繰り入れをなくし、医療費の増加を保険料アップに直結させることで医療費を抑制しようとするものであり、断じて認めるわけにはいきません。しかも、これは国保料(税)の際限のない値上げにつながります。
 「広域化」について厚労省は、保険料の算定方法を法令で定め、都道府県単位の運営主体が「一般会計からの繰り入れが生じない仕組み」にするとしています。同省はすでに、都道府県知事あてに通知を送付し、国保の「広域化」に向け、「保険料の引き上げ、収納率の向上」などを行い、一般財源の繰り入れを「できる限り早期に解消する」ように求めています。
 現在、市町村は国保会計に一般財源から繰り入れることによって、保険料(税)の高騰を抑制しています。繰り入れをなくせば、保険料(税)の大幅アップは避けられません。国保に加入する多くの中小業者は、経営危機が深まるなかで、今でも「国保料を払えば食えず、食えば払えず」の状況にまで追い込まれており、さらに事態は深刻化します。
 それだけに、民商・全商連が掲げる「国保料(税)の大幅引き下げ」が切実になっています。
 「広域化」の理由として、国保の財政難を上げていますが、その最大の原因は、国庫補助が半減させられてきたことにあります。
 必要なのは、「広域化」ではなく、国保への国の責任を明確にし、国庫補助を元に戻し拡大することです。いまこそ、国保制度拡充の声を、地域の隅々から大きく上げましょう。

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