全商連創立60周年に向け新たな歩みを
全国商工団体連合会(全商連)は1951年、日本の歴史上初めて中小業者の自主的・民主的な全国組織として結成され、8月3日に59周年を迎えます。
第二次世界大戦後のアメリカの占領支配の下、国税当局による激しい課税と徴収に対抗して「生活擁護同盟」や「納税民主化同盟」などのたたかう組織が各地に生まれました。そのたたかいの中から自覚的な中小業者によって民主商工会が結成され、その全国組織として全商連が創立されました。
以来、全商連は「税制と税務行政の民主的改革」をめざすたたかい、大企業の横暴を許さず公正取引ルールを確立するたたかい、地域経済振興運動をはじめ中小業者の社会的経済的地位向上をめざし全力をあげてきました。
日本が世界有数の経済大国になった今も、「払いきれない税金・社会保障負担」が中小業者にのしかかり、人権無視の取り立てや差し押さえがまん延しています。下請け業者の権利は守られず、仕事が一部戻ったところでも中国並みの単価を押し付けられています。
昨年夏、政権交代を果たした民主党政権はアメリカ・財界いいなりの政治を続け「資金と仕事が欲しい」という中小業者の切実な願いに応えようとしていません。中小企業憲章は閣議決定したものの、中小業者支援策は不十分です。そればかりか、自民党などと一体となって消費税10%への大連合の道を画策しています。
いまこそ、全商連第49回総会方針が示すように「生きることが優先する」と、苦難の打開に力を尽くすとともに、要求実現の最大の保障である「強大な民商・全商連」の建設をめざした奮闘が求められています。
1999年に中小企業基本法が改悪され、政策理念が「格差の是正」から「多様で活力ある独立した中小企業の育成・支援」に変えられました。その下でも、民商・全商連は2000年代に、経営環境改善、融資獲得、公正取引ルール、納税緩和措置の活用など創造的なたたかいを続け、成果を生み出してきました。
59周年を契機に、あらためて民商・全商連運動の歴史に学び、来年の60周年へ向けて、わが地域で「どういう民商をつくるのか」の討議を始めるとともに、中小業者の苦難打開への運動をいっそう大きく進めようではありませんか。 |