増税反対で国民的運動の強化を
民主党は、参院選後直ちに消費税増税法案の検討を開始し、2010年度内にとりまとめ、速やかに成立させるとしています。
消費税は、低所得者ほど負担が重くなる最悪の不公平税制です。中小業者にとっては赤字でもかかり、価格に転嫁できなくても納税を義務付けられるなど、まさに営業破壊税であり、消費税の増税は断じて許すわけにはいきません。
菅首相はすでに、10%への増税に言及しています。総額12兆円、4人家族で年16万円もの増税です。
重大なのは、財政が大変だと言いながら、消費税増税と合わせ、法人税の減税を主張していることです。経済産業省も、法人実効税率の25%への引き下げを打ち出しています。
財界は、これまで消費税増税とセットで、法人税の減税を繰り返し迫っていました。今回の増税の企てが、財界要求を丸のみした結果であることを示しています。
法人実効税率を25%に引き下げれば、9兆円の減収となり、消費税増税分のほとんどはその穴埋めで消えてしまいます。
しかし、約40%の法人実効税率が諸外国に比較して高く、国際競争力強化の障害になっているなどという論拠は成り立ちません。
日本の大企業には、さまざまな優遇税制が実施され、実際の負担率は、すでに30%程度に下がっており、ソニー、パナソニックなどは、わずか10%台です。とりわけ、三菱東京UFJなど3大銀行は、欠損金の繰越期間の延長によって、この10年間法人税を全く払っていません。しかも、日本企業の社会保障負担はヨーロッパなどより低く、税金と社会保険料を合わせると、自動車製造業では日本の30%に対してフランスで42%に上るなど、法人税を減税しなければ、日本の国際競争力が低下するという状況ではありません。
97年4月には自民党の橋本内閣が、消費税増税・医療費値上げ(総額9兆円)を強行。景気を悪化させ大型倒産が相次ぐなど深刻な不況を引き起こしました。今回は家計所得が減り続けている下での増税であり、景気への破壊的影響は計り知れません。
民商・全商連は、一貫して大型間接税の導入には反対し、その国民的運動の先頭に立ってたたかってきました。その歴史にも学び、いまこそ増税反対運動の強化が求められています。
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