全会員加入で自主共済を守ろう
政府は5月11日、「保険業法等の一部を改正する法律」案を閣議決定し、国会に提出しました。
法案の目的は、保険業法に新たな規制の特例を設けて、05年の保険業法改定以降、存続の危機に直面する自主共済や社団法人等の共済を継続可能にしようというものです。 ここに至るまでには、全商連も加盟する「共済の今日と未来を考える懇話会」の粘り強い運動がありました。
しかし、この法案には問題点もあります。
特例の適用を受けようとする組織はまず、一般社団法人または一般財団法人へと改組し、所管省庁の認可を受けて「認可特定保険業者」にならなければなりません。
認可を受けるためには、財産的基礎や人的構成、保険数理に基づく保険料や責任準備金の算出など、一定の基準に適合することが求められます。認可後は、事業年度ごとの業務報告書の提出が義務付けられるなど、規制と監督を受けることになります。法案には、立入検査や業務の改善・停止命令などに関する監督規定の整備も盛り込まれています。
自主共済を守ることを優先し、特例の適用を受けるかどうかの「苦渋の選択」を迫られる組織の存在は、改めて日米両国の大手保険会社のもうけのために自主共済つぶしを行ってきた政治の責任を浮かび上がらせています。
国会では、非営利に徹し、団体自治を貫く助け合いの制度を守るために、過度な規制や監督のあり方を正す法案審議が行われるべきです。
全商連は、「民商・全商連にふさわしい共済の在り方」を探求し、運動を強めて制度と組織を守ってきました。金融庁担当者は、付則「改正」案を閣議決定する前日、全商連の代表に「付則改正後も全商連共済は保険業法の対象外」と明言しました。
しかし、公益法人でさえ、その共済の継続のために、13年11月までに新たな法人格の取得が迫られているように、共済制度を持つ組織に対する国の介入の危険性は依然、残っています。
いま、求められるのは、会員なら誰もが同じように、「助け、助けられる喜び」を共有できる共済制度を確立することです。共済加入を全会員に呼び掛けるとともに、大企業とアメリカ言いなりの政治の転換をめざして全力を挙げましょう。
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