主張=「公約破り」の消費税増税許すな
鳩山政権の主要閣僚から消費税増税への言及が相次いでいます。また、日本経団連が提言で消費税率の引き上げを明記し、政府税調も消費課税の議論をスタートするなど、消費税問題が同時多発的に浮上しています。鳩山内閣が公然と消費税増税論議を解禁したもので、究極のマニフェスト違反です。
消費増税の口火を切ったのは菅直人副総理兼財務相。「増税しても政府が集めたお金を有効に使えば、雇用や消費が拡大する」と言い、さらに、小泉純一郎元首相を「自分の任期中は消費税は上げないと言って逃げた」と批判。「増税をしても使い道を間違えなければ、景気は良くなるということを部下に検証させている」と述べ、積極的に消費税率引き上げを誘導しています。仙谷由人国家戦略相も「消費税だけでなく税制改革、歳入改革を掲げて選挙しなければ国民に対して失礼なことになる」と総選挙で消費税増税を公約に掲げる必要性を示しました。
日本経団連は、税率引き上げを求めてきた消費税について、来年度から毎年2%ずつ段階的に引き上げて速やかに最低10%にするよう提言。20年代半ばまでに「10%台後半ないしはそれ以上へ引き上げ」を主張しています。一方で、見過ごせないのは、さらなる法人実効税率の引き下げを求めていることです。消費税は導入から20年間で累計213兆円に上りますが、同じ時期に183兆円も法人税収は減収し、その穴埋めに使われたのが実態です。財界のこんな身勝手な主張は許されません。
白川方明日銀総裁は、景気動向について「持ち直しを続けており、その持続傾向がより明確になっている」と楽観視しています。ところが、国民・中小業者は持ち直しどころか、依然、仕事もなく、経営は冷え切ったままです。こんなときに消費税率を引き上げるなどとんでもありません。
民主党は昨年の総選挙マニフェストで「ムダを削れば財源が出る」と公約。ところが最大の無駄遣いである軍事費に指一本手をつけられず、大企業減税にも切り込めませんでした。
民主党の動きは完全に財界と呼応しています。民主・財界・自民の消費税暴走を食い止めるため、来る参院選挙へ向け「消費税増税反対」の国民の声を広げ、増税反対の政党を大きくしようではありませんか。
|