主張=建設業者支援へ施策の充実を
公共工事はピーク時から半減し、新設住宅着工件数は年間80万戸を割って08年12月以降15カ月連続で前月を下回る事態です。建設業許可業者は最高時の約60万から51万業者へと減少しています。
前原誠司国土交通相は「20万社でも過剰」との考えを示し、国内建設業者の転業を促す一方、「世界マーケットを見れば建設業界は成長産業」とし、ばく大なODA(政府開発援助)予算などを使ってゼネコンの海外進出を支援しようとしています。
しかし、いま求められているのは、過剰な外需依存から脱却し、内需を増やし、持続可能な経済社会を築くことです。
自然エネルギーや地元で供給できる建築資材の活用は、山林の整備や地場産業の活性化など、新たな仕事をおこし地域振興に結びつきます。
住宅リフォーム市場は、既存住宅がある限り存続し、建設業者の確かな技術・技能が必要とされる分野です。この市場に活力を与えることは、安心・安全な居住空間をつくり、経済波及効果や建設労働者の雇用維持機能を高めます。
建設業者の間で「何カ月も失業状態」という声が広がるなか、仕事確保をめざす各地の運動の前進によって、小規模工事希望者登録制度を全都道府県に波及させ、439自治体に実施させてきました。新築やリフォームへの助成を行う自治体は、昨年5月の83から154自治体へと1・8倍になりました。
秋田県では3月、「住宅リフォーム緊急支援事業」が実施されました。同制度の創設を要望してきた秋田県商工団体連合会と県内6民商が、他の建設関連7団体とともに申請受付窓口に指定されるなど、運動することによって有利な条件を切り開いています。
新年度が始まり、「社会資本整備総合交付金」2・2兆円など、国から地方へ振り向けられる予算を各地でどう生かすかが問われます。住宅のリフォーム助成やエコポイント制度の活用・改善、学校の耐震化、危険箇所の改修、森林の保全・整備をはじめ再生産可能な単価を保障する公契約条例の制定など、住民の暮らしに役立ち、中小建設業者の経営支援につながる施策の提案と営業活動を強めるときです。
集まって話し合い、共同を広げながら、要求実現へ大きく打って出ようではありませんか。
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