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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2917号 3月 8日付
 
私たちの主張
 

今こそ公的保育制度の拡充を


 政府は、2014年度までに認可保育所の定員を毎年5万人増やし、241万人に引き上げることなどを内容とした「子ども・子育てビジョン」(以下、ビジョン)を決定しました。しかし、その具体策は、保育基準の緩和や民間企業の参入促進などを盛り込んだ緊急経済対策に基づいて進める方向です。
 「ビジョン」の内容は、保育の規制緩和であり、公的責任を後退させ、保育の質を低下させることになる大改悪です。子どもの命と安全を脅かし、発達に悪影響を与える制度改悪には断固反対です。
 「ビジョン」に盛り込まれた保育所待機児童の解消や延長・病時保育、放課後児童クラブの受け入れ拡大などは、切実に求められており、数値目標を掲げて取り組むことは必要なことです。しかし、目標達成の手立ては、居室面積基準の引き下げや外部調理の容認、園庭の廃止、高層ビルでの避難階段に関する規制緩和などが柱です。
 すでに、その具体化として、定員超過の上限撤廃を内容とした厚生労働省通知が発出されています。
 現在、「保育室の面積は、2歳児以上は子ども1人につき1・98平方メートル以上」「0歳児3人につき保育士1人」といった施設や職員などの最低限度の基準を国が定めています。また、給食についても、乳・幼児一人ひとりの発育や体調、食物アレルギーに対応するために、施設内調理を基本としています。
 政府が狙うのは、民間企業参入促進のための最低基準の原則撤廃です。しかし、撤廃でどうなるかは、東京都が国基準よりも緩い基準で運営している認証保育制度の実態をみれば明らかです。子どもの登園・退園がタイムカードで管理され、登園が契約時間より1分でも早いと保育料が加算されるなど、お金でサービスが売り買いされる施設へと変貌(へんぼう)しています。
 民商・全商連は、中小業者の労働実態に合った保育時間を保障するなど、公的保育制度の拡充を求めてきました。
 保育は、もともと人件費が圧倒的割合を占め、営利にはなじみません。児童福祉法に基づき、国や自治体が公的に保障してきたからこそ、保育所制度が国民に根付いてきたのです。
 待機児童が激増している現在、公的保育制度の拡充こそ必要です。保育をもうけの道具に変える改悪を中止させるため、今こそ地域の隅々から声を上げましょう。

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