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集団健診活動の抜本的強化を
スポーツに親しみ、健康な心身を培うには、絶好の季節です。しかし、気にかかるのは、営業の危機と一体で進む中小業者の健康破壊の実態です。全商連共済会の調査では、民商で取り組んだ集団健康診断の受診者のうち、要治療、要再検査などを含めた有所見率が、調査開始以来最悪の80%超にもなっています。病気を未然に防ぎ、早期に治療をするための健康診断の取り組みの強化は待ったなしの状況です。
昨年4月から、従来実施されてきた自治体の基本健診が廃止され、新たにメタボリック症候群の防止を目的にした特定健診・特定保健指導制度が導入されました。
老人保健法に基づく基本健診は、健康を保持するための個別疾病の早期発見・早期治療を目的に、自治体の責任で実施されてきました。しかし新制度は医療の「公的給付」を減らすことを最大の目標に、肥満型の生活習慣病の減少を目的とするなど、非常に狭い健診の中身になっています。また、医療保険者が実施義務者となっているため、国保や健康保険に加入していなければ健診を受けることができず、保険者の財政事情の違いで高額の受診料になるなどさまざまな問題点を抱えています。
民商で取り組む集団健診では、その準備に戸惑ったり、参加者が減るなどの事態が生まれています。そうしたなかでも、自治体や医療機関と懇談し、健診メニューを充実させ、出張型健診を認めさせるなど、前進させた地域もあります。いま、中小業者の健康破壊がすさまじいだけに、こうした運動が切実に求められています。
総選挙の結果生まれた民主党中心の新しい政権は、後期高齢者医療制度の廃止を打ち出しています。また、参議院では昨年6月、後期高齢者医療制度を廃止し、元の老人保健制度に戻すことを内容とした廃止法案を民主、共産などで可決しています。
いま、求められるのは、問題点が多い制度とはいえ、特定健診・特定保健指導の下での集団健診活動を抜本的に強めることです。
同時に、選挙後の新しい情勢を生かして、中小業者から健診の機会を遠ざける結果となっている特定健診・特定保健指導制度を廃止し、老人保健法に基づく健診制度に戻せの声を大きくすることです。体力や健康に目が向く、いまこそ世論を広げるチャンスです。
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