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予算を教育重視に切り替えよ
総選挙で国民は、格差や貧困を増大させた自民・公明政権を歴史的な敗北に追い込みました。62年の長きにわたり国民・中小業者を苦しめてきた自民党政治と決別したのです。
今回の総選挙ほど、各党のマニフェスト(政権公約)が国民の関心を呼んだ選挙はありません。そのなかで要求が一致した課題の一つが、教育問題です。「高校授業料の無償化」や「教育費の負担軽減」などを主要な政党がそろって掲げたのは、過去に例を見ません。
小泉「構造改革」路線は、国民・中小業者の暮らしと営業をズタズタにしてきました。大企業のリストラ・派遣切り、中小業者の倒産など多くの失業者を生み出し、「子どもの貧困」が加速し「修学旅行費が払えない」「小学・中学校給食費を無償化にしてほしい」と、全国で怒りの運動が広がりました。それが総選挙の争点に強く反映したものです。
日本の教育費負担は、学費値上げ、奨学金の有利子化など改悪の連続で重くなっています。日本政策金融公庫の08年「教育費負担の実態調査」では、高校入学から大学卒業までにかかる費用は、子ども1人あたり、平均1024万円、世帯収入に対する割合は34%にもなります。200万円から400万円未満の世帯では、55・6%を占め、年収が低いほど大学進学率は低くなっています。また給食費の未納、高校の授業料や入学金の未納のため、入学式や卒業式に出席できないという事態も広がり、保護者や生徒の自己責任として冷たくあしらわれてきたのです。
自公政権は、ムダな大型公共事業や軍事費に税金をつぎ込み、大企業・大資産家優遇税制を続ける一方で、教育予算を抑制し続けてきました。しかも、学費は、教育を受ける本人が払うという「受益者負担」の考え方を教育に持ち込んできました。OECD諸国のなかでも、高校授業料や大学授業料は有料、給付制奨学金もないという国は、日本しかありません。
民主党新政権は、各党と政策がほぼ一致しているだけに、フランスやデンマークのように学費無償化、教育費の負担軽減実現を最優先で努力すべきです。
学費や教育費で退学するような学生を生まないためにも、憲法26条「教育を受ける権利」に基づき、安心して勉学に励める社会をつくろうではありませんか。
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