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主張=悪用許さず第3種郵便の発展を
「低料第3種郵便物」制度を悪用し、企業などが格安でダイレクトメール(DM)広告を発送していた事件が相次いで発覚し、逮捕者も出ています。大阪地検特捜部の摘発だけで過去4年間に211億円の郵便料金を免れていました。大阪の広告会社「新生企業」(現・伸正)は10を超える障害者団体の名義を使い分け、大手印刷会社や大手通信販売会社、大手家電量販店に、「障害者団体の定期刊行物と一緒に発送すれば安くなる」と提案し、06年からの3年間で正規料金が7億円のDMを4000万円で発送していました(1通当たり通常120円を8円)。全体で130億円も不正に悪用していたのです。
「第3種郵便物」制度は、印刷物などを低料金で読者に届けることのできる制度であり、言論・表現の自由、文化の発展を保障する制度としても維持され、拡充が求められてきたものです。制度を悪用した「企業犯罪」は決して許されるものではありません。
さらに問題なのは、ニセの障害者団体の認定に厚生労働省の職員が介在し、日本郵政も違法と知りつつ認知していたことは重大です。この中で、民主党国会議員が介在したことも明らかになっています。
「第3種郵便物」制度は郵政公社の時代から民営化された日本郵政の現在まで、常に「廃止」が問題となってきました。最近では02年と04年の2度にわたり、「廃止」提案が出されました。日本機関紙協会や全国商工団体連合会は、広範な団体に呼びかけて反対運動に取り組み、「廃止」をくい止めてきました。
読者の自宅まで直接、機関紙誌を郵送する多くの団体にとって、なくてはならない制度です。むしろ、財政基盤の弱い機関紙誌にとってはさらなる拡充が求められています。
今回、悪徳企業が狙ったのは「第3種郵便物」の中でも最も送料が安い「障害者用低料3種」でした。その目的のために障害者団体を装うことまでしていました。
日本郵政、かつての郵政公社とも、郵便事業が赤字であり「第3種維持は困難だ」と繰り返していますが、100億円を超える多額の金額の損失を出した事態をどう考えているのでしょうか。日本郵政の責任は重大です。
今後とも、「第3種郵便物」制度の維持・拡充を求め、取り組んでいこうではありませんか。
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