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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2881号 6月1日付
 
私たちの主張
 

主張=自衛艦派遣の海賊対処法許すな

 政府・与党は、ソマリア沖で海賊が急増しているとして、現地に自衛艦を派遣し、5月15日にはP3C哨戒機の追加派遣を決め、合わせて陸上自衛隊の中央即応連隊も送り込む計画です。国会では自民・公明が、世界のどこにでも自衛隊を派遣できるようにすると同時に、ソマリア沖の自衛艦に外国船舶の警護と積極的な武器使用を認める「海賊対処」新法案を衆議院で強行しました。
 政府・与党が自衛隊の派遣を急ぐ背景には、「海賊」対策を口実に、憲法に反して武器使用などを拡大し、自衛隊の海外派兵態勢を確立しようという狙いがあります。今回の自衛隊派遣は、日本を「海外で戦争する国」に引き込む危険な動きであり、「平和こそ商売繁栄の道」を教訓とし、憲法改悪反対運動の先頭に立ってきた民商・全商連として、断じて許すことはできません。
 海賊の被害は重大ですが、海賊行為はあくまで犯罪であり、海上保安庁の警察活動で対処すべきものです。ソマリアでは1991年に中央政権が崩壊。中央政府が不在のまま20年近く内戦が続いたことが海賊の温床になっており、国際的支援で和平と復興を実現することこそ不可欠です。ひたすら自衛隊の派兵を急ぐ自民・公明の姿勢は、海賊問題の解決を真剣に考えているとはいえません。
 政府・与党は、国連安保理決議を自衛隊派遣の根拠の一つとしていますが、アメリカ主導で採択されたものであり、ソマリア空爆を含む「あらゆる必要な措置をとる」権限まで与えているものです。憲法九条をもつ日本がやるべきは、ソマリア内戦終結と貧困解決のための外交努力と民生支援です。
 重要なのは、現地ソマリアとその周辺国の海賊対策の強化と国際的な支援です。ソマリア暫定連邦政府は、ソマリアの治安部隊を確立させるための国際援助があれば「海賊の4分の3は防止できる」と公言しています。しかし、根本的には、内戦で荒廃したソマリアに、平和と経済的安定をもたらすことが重要です。
 ソマリア沖の海賊問題の解決には、軍隊の派遣ではなく、問題の性格と根源を見据えた包括的な対策が必要です。武力行使に道開く「海賊対処」新法案を許さず、「憲法9条を持つ国として、現地が求める外交努力と民生支援こそ強めよ」の声をいまこそ大きくすることが求められています。
   
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