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主張=核兵器廃絶へ平和行進の成功を
5月6日の北海道・礼文島や東京・夢の島を皮切りに、全国各地で原水爆禁止09年国民平和大行進がスタートしました。世界的に核兵器廃絶をめざす前進的変化が広がっているだけに、約3カ月にわたる大行進を国民的行動として成功させることが切実に求められます。
この間、世界的変化を象徴したのはオバマ米大統領がチェコ・プラハで行った4月の演説です。演説で大統領は「アメリカは核兵器のない平和で安全な世界を追求していく」と宣言。戦後初めて最大の核保有国が自ら核兵器廃絶を国家目標としました。また「核兵器を使用したことのある唯一の核保有国として、アメリカは行動する道義的責任がある」とも述べ、広島・長崎での核兵器使用が人類的道義にかかわることを認めました。その上で核兵器廃絶へ「一緒になって平和と進歩の声を高めなければならない」と世界の諸国民に協力を呼びかけました。
こうした一連の公式発言は、人類の生存にも、また痛苦の被爆体験を持つ日本にも、歴史的画期をなすものです。大切なのは、オバマ米大統領の姿勢を後退させることなく、核兵器廃絶の国際条約締結へ国際交渉を開始するよう、世論と運動を高めることです。
大統領は、核兵器廃絶への具体的措置として、新たな戦略核兵器削減交渉や包括的核実験禁止条約の批准、兵器用核分裂物質の製造禁止などを追求するとしています。しかし核交渉の歴史的経過に学ぶなら、抜け道を残す部分的措置でなく、あくまで核兵器廃絶と一体で進め、さらにアメリカやロシアなど核保有大国が例外なく、核兵器廃絶への真剣な努力を行うことこそ不可欠です。
世界に今も2万6000発の核兵器が蓄積・配備されるなか、被爆国日本の政府に求められるのは核兵器廃絶に向けた積極的役割です。しかし麻生首相は「核軍縮や不拡散」のポーズをとるものの、具体的行動は何ら言及せず、中曽根外相に至ってはアメリカによる「核の傘」を執拗に求める始末で、まさに言語道断です。
民商・全商連は、日本の原水爆禁止運動の発展に一貫して貢献してきました。この伝統を誇りとし、平和大行進への積極参加や「核兵器のない世界を」の署名運動を広げ、8月の原水爆禁止世界大会や、来年春の核不拡散条約再検討会議の成功に奮闘しましょう。
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