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主張=経済対策は業者に仕事と資金を
政府・与党は10日、新追加経済対策を正式に発表しました。戦後最大の経済危機を乗り切るためと、09年度補正予算を含む約15兆円規模です。
麻生太郎首相は、巨額の財政出動を行う理由に「国際協調」を挙げています。しかし、15兆円の09年度補正予算は、本予算の一般歳出(約51兆円)の実に3分の1近い水準です。景気対策とは言え、財政民主主義の観点から見過ごすことはできません。
今回の対策は、足元で約20兆円にも達する需要不足を埋めるため、「巨額投入ありき」が先行しています。業界団体、与党の族議員がうごめき、一方では総選挙の目玉づくりに利用しています。
環境対策という名目で、登録から13年以上たった自動車を廃車にして、環境基準を満たした新車に買い替える場合、乗用車で25万円を補助することなども盛り込まれています。また、住宅購入などに限り、2010年末までの時限立法として贈与税の非課税枠を、現行の110万円から610万円に拡大する案も盛り込まれています。まさに、トヨタをはじめとする大企業、金持ちだけが潤う政策にすぎません。
公明党は定額給付金に続き、小学校就学前3年間の子どもに、1年間限定で、年3万6000円を支給する子育て応援特別手当を自民党に飲ませました。まさに、選挙目当てのバラマキです。
これらの補正予算の財源は、「霞が関埋蔵金」と呼ばれる財政投融資特別会計の積立金から3兆円を捻出し、09年度当初予算に計上した経済緊急対応予備費1兆円を充てるといいます。追加の国債発行も10兆円余りに達します。これでは1990年代の「借金王」と名乗り、巨額の借金を残した小渕内閣と同じ轍を踏むことになります。そして、そのつけを2年後に消費税を増税し国民に回すよう定めた09年度税制改正の付則は撤回しないとしています。
いま必要なことは、消費税を当面3%に戻し、社会保障予算を大幅に増やすことです。そうやってこそ安心して消費にお金を回すことができます。また、緊急保証の対象を全業種に拡大して、中小業者への資金繰りを円滑にすることです。そして、大企業による派遣斬りや下請け切りを規制し、地域密着型の公共工事を応援し、中小業者の仕事を増やすことです。
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