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主張=地方自治破壊の道州制を許すな
財界と自公政権が「道州制導入」の策動を強めています。
道州制は、単に「都道府県の再編」ではありません。国の仕事を外交・軍事・司法などに限定し、社会保障や福祉などは地方に押し付け、自立自助の名で住民負担に切り替えることで、自治体を財界・大企業のための開発政策や産業政策の道具に変えることにあります。「究極の構造改革」と呼ばれ、憲法の地方自治原則を破壊するこの策動を見過ごすことはできません。
そもそも、道州制は財界の要望です。福祉と暮らしのための仕事を担う自治体を大規模に再編し、財政規模を大幅に縮小する一方で、財界・大企業のもうけになる大型プロジェクトを進めやすくするところに、最大の思惑があります。
日本経団連は、昨年11月に道州制導入に向けた「第2次提言」をまとめましたが、国の役割を重点化することで、現在12府省の中央官庁を半数程度に解体・再編し、全国を10程度に区分する道州にすべきだとしています。そして、福祉、医療、教育、中小企業、農業政策などの切り捨てを前提に、5兆8483億円の財源を削減できるという試算まで示しています。
麻生内閣も「骨太方針08」に明記された道州制の導入に向け、「道州制ビジョン」の策定を進め、国民運動を推進するための「国民協議会」を発足させています。首相自身、今国会での本会議答弁で「道州制基本法の制定に向け、検討機関を設置して作業を進めたい」と述べています。
一方、この策動に積極的に乗ろうとする自治体も出ています。
橋下徹大阪府知事は、道州制導入を先取りする形で、大阪維新計画を策定。財政危機を口実に、府が現在担っている住民に直結する行政を市町村に委譲して、国際競争・都市間競争のできる基盤整備行政を府(将来の関西州)の役割とする改革を強引に進めようとしています。しかし、地方自治体の本来の役割は「住民の福祉と暮らしを守る」ことにあります。
金融危機・不況の影響が地方経済を襲い、中小業者・国民の苦難が増大している下での道州制の導入は、地域経済や住民の暮らしをますます衰退させていくことになりかねません。
いま、道州制構想の反国民的狙いを明らかにし、その動きを阻止する運動が早急に求められています。
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