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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2860号 12月22日付
 
私たちの主張
 

大企業の雇用破壊に指導強化を

 年の瀬を迎え、大企業の「非正規社員切り」が重大な社会問題になっています。自動車関連の主要10社だけで非正規雇用1万5000人の解雇が計画されるなど、その規模ははかり知れず、膨大な「雇用崩壊」が引き起こされようとしています。
 日本経団連の御手洗会長は、麻生首相の要請に「雇用の安定に努力する」と応えながら、自ら会長を務めるキヤノングループで1700人に及ぶ解雇計画を発表しました。同会長は記者会見でことさらに「苦渋の選択」と強調しましたが、キヤノンの剰余金は3兆3000億円に上り、株主への中間配当715億円のわずか5%弱で雇用を維持できるだけに、説得力はまったくありません。
 今回の「雇用崩壊」がルールを無視し、異常な速度で進行していることも見逃せません。例えば、いすゞ自動車の藤沢工場で、期間・派遣労働者1400人全員を12月26日に解雇すると通告したのは11月17日でした。解雇の必要性や解雇回避の努力義務など、まともな説明もないまま、1カ月余で真冬の路頭に放り出そうとする横暴が許される道理はありません。
 こうしたなか、「大企業の横暴を許すな」との世論と運動に押され、政府・厚生労働省が9日、労働契約法や裁判の判例を踏まえた「非正規社員切り」防止の通達を出したことは一つの成果です。しかし麻生首相は、国会審議で「雇用崩壊」の深刻さを認めつつも、違法行為を広げる個別大企業への指導・監督を拒否する無責任な態度にとどまっています。
 いま、大量解雇による雇用悪化は労働者の苦境とともに、地域経済に深刻な打撃を与えています。
 「非正規社員切り」と同時に、突然の取引停止が重層下請けに連鎖し、個人消費が底から冷えこむなかで年末商戦も異例の厳しさになっています。それだけに人間を使い捨てにする大企業の横暴を許さず、雇用と地域経済を守る緊急対策が切実に求められています。
 非正規労働の拡大を招いた労働法制の規制緩和を抜本的に見直すとともに、雇用と公正取引にかかわるルールを国の責任で確立する必要があります。そして地域経済を振興し、内需主導で日本経済を再建するため、大企業に社会的責任と応分の租税負担を求める制度を確立し、国と自治体による指導・監督を強めるべきです。
   
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