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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2858号 12月08日付
 
私たちの主張
 

再び侵略戦争を繰り返させない

 67年前の12月8日は、日本軍が東南アジアのマレー半島に上陸する一方、アメリカ・ハワイの真珠湾を奇襲攻撃し、太平洋戦争を開始した日です。300万人を超える日本国民の命を奪い、アジアで2000万人を超える人びとを犠牲にした日本の侵略戦争の惨禍を思い起こし、二度と誤りは繰り返さない反省をいまに生かしていくことが大切です。
 特に重要なのは、アジア諸国を侵略し植民地として支配した日本の戦争責任に正面から向き合い、それをあいまいにしたり、侵略戦争を正当化する一切の逆流や“巻き返し”に反対することです。
 その点で「日本が侵略国家だったというのはぬれぎぬだ」という論文を発表した田母神俊雄・前航空幕僚長の問題は重大です。戦後の日本と国際社会の成り立ちそのものを根本からひっくり返す危険な主張を撤回せず、開き直ったままなのに、政府・防衛省はなんの処分もせず定年退職扱いにして多額の退職金まで払いました。
 最高法規である憲法の尊重擁護義務違反をことさら軽く扱う政府の姿勢に批判が噴出するのは当然です。田母神氏が空幕長時代に行った講話では、政府の防衛政策の原則である「専守防衛」を「検討されなければいけない」とか、戦前の海外派兵を「侵略のためではない」と教えています。空幕長になる前の自衛隊統合幕僚学校長時代には、「歴史観・国家観」の講義を新設し、憲法・教育基本法の問題点、大東亜戦争史観、東京裁判史観などを課題にしました。そこでは、皇国史観で知られる「新しい歴史教科書をつくる会」の役員を講師に招き、「『自存自衛』のためのやむを得ない受け身の戦争」だったとか、「現憲法体制は論理的に廃絶しなくてはならない虚偽の体制」とまで教えています。
 政府と首相の責任で、問題の全容を明らかにし、戦前のような「軍部の暴走」を繰り返させないことが必要です。そして、国民世論の力でアメリカの戦争支援のための新テロ特措法の延長法案をきっぱりと廃止し、海外派兵恒久法制定のたくらみも断念させることが求められています。
 再び海外で戦争する国にはならない‐民商・全商連が創立以来「平和でこそ商売繁盛」と活動してきた伝統に学び、歴史をゆがめる潮流を日本の政治から一掃する決意を新たにし、平和を構築する運動を進めようではありませんか。
   
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