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政管健保の無責任な改悪許すな
社会保険庁が運営する政府管掌健康保険(政管健保)は、10月1日から新たに設立される非公務員型の公法人「全国健康保険協会(協会けんぽ)」に移行されます。
最大の狙いは、政管健保の国庫負担を減らすことです。「医療費抑制」を各都道府県で競わせ「保険料が上がるから、医療費をかけないように」迫り、必要な医療の切り捨てを図ることにあります。このような国の責任回避は、絶対に許すことは出来ません。
政管健保は、中小企業の従業員と家族が入る健康保険で、約3600万人が加入する日本最大の健康保険です。実施目前にもかかわらず、国民・中小企業者には、内容をほとんど知らされていません。
制度改悪で、現在の全国一体の運営から、都道府県ごとの運営に変更になります。「協会けんぽ」の理事長や各都道府県の支部長は民間出身者となり、国の責任を大きく後退させるものです。
本年10月の保険料は、9月30日までの政管健保の保険料率(8・2%労使折半)が適用されますが、1年以内に各都道府県ごとに保険料率を設定することになっています。
年齢構成や所得水準の違いが医療費に反映されるため、地域よっては、保険料が高額になるなどの格差が生じ、中小企業や労働者に大きな影響を与えます。
厚生労働省が03年度の医療費の実績をもとに試算した保険料率では、北海道8・7%が最も高く、最低は、長野県7・6%と大きな格差が生まれました。しかも保険料率の上限を9・1%から10%まで引き上げ、厚労省によれば保険料は年間7万円も増額し、約38万5000円になります。
今年度に入り、西濃運輸など12の健康保険組合は後期高齢者医療制度の「前期高齢者納付金」(65歳〜74歳)による健保組合財政の悪化を理由に、政管健保に9万人を移行させました。その結果、国庫負担は約20億円も増加します。今後、この動きが続けば政管健保の保険料率引上げにつながりかねません。
このままでの全国健康保険協会への移行は、後期高齢者医療制度の二の舞です。しかも社会保険庁を解体し、日本年金機構に丸投げしようという無責任さは許されません。広域連合議会もなく議会のチェックも受けず運営することは憲法の租税法立主義に反します。
保険料アップや安上がりの医療を国民に選択させる制度改悪を許さない取り組みが緊急に求められています。 |
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